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  • 2015年02月2日

創造的で、独立心が旺盛で、いいな、やりたい、と感じたことを、軽やかにちゃちゃっと一人/少人数で実現していく人たちが好きです。

以前よりもそういう人が増えていることの背景には「デジタル(・メディア)」の力が大きいと思っていて、だからそんな「デジタル」のことも好き。

そしてなにより、人の心に自由と想像力をかきたてる芸術やエンターテイメントの力にずっとずっと魅了され続けています。

「Arts x Digital」。
芸術とかエンターテイメントはとっても物理的・身体的なものだけど、デジタルと出会うことで、それらが元々持っている「個人の自由と創造力を共に祝福し、推し進めていく力」が強くなると信じています。それがずっと私が「Arts x Digital」に関心がある理由。それによって、最終的には「創造的で、独立心が旺盛で、いいな、やりたい、と感じたことを、軽やかにちゃちゃっと一人/少人数で実現していく人たち」が少しでも多くなればいいなと思っています。(し、自分もそうであり続けたい。)

というわけで、このサイトでは、例えば美術館がどういうデジタル戦略をとっているか、とか、クラウド・ファンディングでアーティストがどんなふうに資金調達したか、というような「Arts x Digital」な話題を多く扱ってます。性質上、ともすると「来年にはどうなっているのかな」と感じてしまう、移ろいやすいテーマに見えることもあるかもしれません。でも、私にとって一番根底にある、突き動かされるような想いはいつもこれです。

 一人ひとりが楽しく、
 自分の心が感じることに素直に、
 創造的な生き方ができる世の中であるために

「Arts x Digital」を軸に、ぴんと来ることはなんでも取り上げていきたいと思います。

London (10.2014)

London (10.2014)

07 年 12 月の会社員時代にこのサイトを立ち上げて、09 年の 12 月に独立して、15 年 2 月に何度目かのサイト・リニューアルを行いました。今回デザイン変更した理由は、よりジャンルやカテゴリーに囚われず、私個人というものを打ち出す場所にしたいと思ったから。
中心コンテンツはブログです。右側にあるサイドバーで最新エントリとカテゴリー分けされていますので、興味あるキーワードがあったらのぞいてみてください。
※リニューアルに伴い、現在、昔のブログ含めかなりのエントリーを非公開にしています。徐々に公開していく予定。

少し長い、アーツ・マーケティングを立ち上げるまでの経緯

※2010 年 9 月に書いたものです。

 子供の頃に観た 1 本のミュージカルは、私の人生に大きな影響を与えました。

 舞台で行われるひとつひとつに身体全体が釘付けになり、観終わった後も何日も何ヶ月もその感覚をひきずるという経験を、生まれて初めてしたのです。人が生み出してしまう何か、そして人が人に与えうるパワー。その抗えない魅力を知ってしまって以来、ずっと私の中では「そういうもの」とそれらに触れることが人生にとって一番大切なことになりました。

 「そういうもの」とは、言葉を与えれば、芸術とかエンターテイメントとか言われるものかもしれません。

 そしてその後、幾度となく同じような経験をし、そのたびにそのパワーの力強さと、そういう経験が人にとってどれだけ不可欠かを痛感してきました。大学で美学美術史学を選んだのも、劇場でアルバイトをしていたのも、少しでも「そういうもの」の近くにいたい、という想いからだったと思います。

 とはいえ、大学卒業後、私は特に劇場や美術館他で働くといった道には進みませんでした。(ゲーム業界だったので「エンターテイメント」ではあると思いますが)

 そのかわり巻き込まれていったのが、折しも一般に浸透し始めていたインターネットの世界。編集の仕事がしたいと思って入った編集プロダクションで、当時実験として始められていた WEB 媒体の記者に配属された時から、常にインターネットと関わる仕事に就いてきました。

 WEB 媒体の編集。コンテンツの作り方。収益モデルの模索・構築。ネットでのコミュニティの作り方。コミュニティ・メンバーの集め方・定着させ方。
 2002 年、オンライン・ゲームのマーケティング職に異動になって以降はさらに、多くのポータル・サイトやインターネット・サービス・プロバイダー、PCメーカー等との提携業務、ブログや SNS など新しいコミュニティを使ったマーケティング、プロモーション、勃興してきたばかりのインターネット広告の活用等、インターネット・ビジネスの世界にどっぷりとはまっていきます。

 同時に、自分自身も 2002 年からブログを始めたり、2004 年に GREE やミクシィができた頃はいち早く参加したり、とインターネットで生まれる縁や自分で発信できる楽しさにはまっていきました。「インターネットがある時代に生まれてよかった!」と思うようなことが、本当にいろいろありました。

 しかしながら、年齢も30歳を超え、いろいろな仕事も任されてくるようになるにつれ、(きっと多くの人が一度は考えるように)「自分はずっとこの仕事を続けるのかな」という想いが日々募るようになります。会社自体は、仲間にも恵まれとても働きやすいところだったのですが、なにせ実はこれだけ一環してゲーム業界で働いていながら、私はもともとゲームのプレイ歴は長くなく、ゲームへの愛の深い人にはかなわない、というのがあったのです。
 一方、マーケティングの仕事は自分でも「天職だ!」と思うほど面白さを感じていたので、そこは続けていきたい、という想いもありました。そして中でも WEB マーケティングにおいては、かなり経験も実績も積んだという実感も持っていました。しかし、特に何か動くというわけでもなく、年月を重ねていったのです。

 そんな中。ついに転機のようなものが訪れます。それは、忘れもしない 2007 年 11 月のこと。
 近所の本屋で『芸術の売り方――劇場を満員にするマーケティング』というジョアン・シェフ・バーンスタインの書籍を見かけました。
 何気なく手にとって、パラパラとページをめくった私の頭に、電撃のように何かが走りました。

「そうだ、自分が大好きで仕方ないことって、芸術だ! アートのマーケティングをしよう!!なかでも、自分が得意なWEBのマーケティングを芸術分野でやっていこう!!」

 ……そして、artsmarketing.jp というドメインを取得して、「とにかく、アートのマーケティングに関わるエントリをしていこう」と最初のブログを立ち上げたのが、2007 年 12 月 12 日のことです。

 その後、それまで動かなかったことが嘘のように、なぜかいろいろなタイミングが重なり物事が動き始めました。まずは、2008 年 5 月に会社を退職。2009 年からアート・マネジメント分野の大学院に入学し本格的に研究を始め、2009 年 12 月には株式会社アーツ・マーケティングを立ち上げました。

 とはいえ、2007 年冬に思った「アートのマーケティングをしよう!!」という思いつきは、今から思うと本当に脳天気なもので、知れば知るほどそうたやすくはできないことを日々痛感しています。まずはその環境を自ら切り開いていかなければならないし、ゼロの地点にも到達できていないと。

 でも、私は、インターネットが創りだす世界が、芸術の持つパワーを広くひろく伝えることに必ずや貢献すると確信しています。なぜなら、芸術ってすごいよ! というのを一番説得力とある種の感動をもって伝えられるのは、それを体験した無数の人々だと思うからです。そしてその一人一人が強く感じた何かは、インターネットによって強い伝搬力をもって世界のすみっこまで伝えることができます。

 もちろん、人それぞれ感じ方は千差万別なので、皆がそれを表明できるようになれば、衝突や軋轢もあるでしょう。心がやすらぐようなものが好きな人もいれば、とにかく高揚するようなものが好きな人、一瞬不快感を感じさせるようなものに感じ入る人もいます。
 でも、その誰もが芸術によって「何か」を得たということではどれも変わりがありません。
 なので、私はどれが「”伝えるべき”芸術か」というのはあえて問わずにいようと思います。
 その人にとって何かを残すものであれば、作品の良し悪しを問うことに意味はないと思うからです。

 長々と書きましたが、私は株式会社アーツ・マーケティングを通じて、芸術がある人生って素晴らしい、ということをさまざまな方法で伝えていきたいと思います。業務内容はその時々で変わっていくかもしれませんが、根本にある想いは変わりません。

 まずは一人で立ち上げた小さい会社ですが、どうぞよろしくお願いいたします。

2010 年 9 月 サイトが完成したのを記念して
山本純子

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