クリエイターにお金が集まるプロジェクトとは

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さて、昨日に続き Kickstarter(KS)について。

昨日は、KSの概要、実績とその性質について書きましたが、今回はもうちょっと細かく、実際どういうプロジェクトが成功しているか、について書こうと思います。概要的な紹介が続きますが、お付き合いくださいまし。

カテゴリごとの資金調達実績

まずは、どんなカテゴリがより多くお金を集めているのか。
引き続き、公式による2年間のデータがこちら

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(1)Film: $19,717,790
(2)Music: $13,094,547
(3)Design: $3,601,851
(4)Art: $3,184,732
(5)Publishing: $2,732,501
(6)Theater: $2,570,503
(7)Technology: $1,748,109
(8)Photography: $1,679,361
(9)Food: $1,583,063
(10)Games: $1,052,557
(11)Comics: $943,118
(12)Dance: $645,492
(13)Fashion: $554,048

今のところ、映像と音楽が圧倒的です。が、各カテゴリのプロジェクト総数が公開されていないので、けして映像や音楽がお金を集め易いというわけではない。実際、サイト中の「MOST FUNDED(今までのプロジェクトの中からもっとも多く資金調達した順に紹介している)」のベスト10をみると、カテゴリはこんな感じです。

(1)TikTok+LunaTik Multi-Touch Watch Kitsデザイン $942,576調達(6,283%)
(2)Capture Camera Clip Systemデザイン $364,698調達(3,646%)
(3)SAVE Blue Like Jazz! (the movie)映像 $345,992調達(276%)
(4)Eyez by ZionEyez HD Video Recording Glasses for Facebookデザイン $343,415調達(624%)
(5)Coffee Joulies ? your coffee, just rightデザイン $306,944調達(3,230%)
(6)HexBright, an Open Source Lightテクノロジー $259,293調達(836%)
(7)Rise and Shine: The Jay DeMerit Story映像 $223,422調達(103%)
(8)Minecraft: The Story of Mojang映像 $210,297調達(140%)
(9)Decentralize the web with Diasporaテクノロジー $200,641調達(2,006%)
(10)PadPivot, lap & desk stand for your iPad,Tablet, or E-readerデザイン $190,352(1,903%)

5つがデザイン、3つが映像、2つがテクノロジー、ということで全体の調達額では3位のデザインが圧倒的に多い。なんと、トップ10入りプロジェクトでデザイン全体調達額の60%を占めているんです。(テクノロジーはテクノロジー全体の26%、対して映像は映像全体の4%)

プレ・オーダー・モデルと、”利他主義”モデル

以上のことからもなんとなく類推できるように、KS には「お金を集め易い」プロジェクト・パターンというのがあります。
そのあたりをわかりやすく書いてるのがこちらのエントリ

自身も映像作家で KS で資金調達をした Garrett 氏が(彼の場合は、”辛くもなんとか”調達できたパターン)自分自身の経験を元に「KS で成功するには」について書いているんですが、この中で彼は KS のプロジェクトは大きくわけて下記2つに分かれると言ってます。

  • プレ・オーダー・モデル(ウェブショップとしての KS)
  • 利他主義(altruism)モデル(募金箱としての KS)

で、「目標額を大きく超えた大成功」をするにはプレ・オーダー・モデルしかない、と断言しています。

プレ・オーダー・モデルとは、「これを作るから支援してくれ」→「支援してくれた人には作ったもの(or プレミア・モデル等)をあげるから」というもの。たとえば、上記ベスト10で1位をとっているプロジェクトは iPod nano を腕時計にするキットを作るというもので、当時日本でも一部話題になってました※1

つまり、「ほしいから」支援するんです。支援するっつか、買うんです。たのみこむ的イメージですね。
店で買えないものだったり、一点ものが欲しいといった感情なので、「応援しよう!」という感情はそれほどないのではと思います。だからこそ、人の心を捉えるプロダクトなどであれば、目標額に関係なくどんどんどんどん人からお金が入ります。だって欲しいんだもの。まだ売ってないような、でもステキーな奴をいち早くゲットできるっていいじゃん。実際、iPhone 周辺アクセサリの世界は、KS 発でユニークかつ優秀なものが数々誕生しています※2

対する「利他主義モデル」は、「支援しなきゃ心」をあおるモデル。多くの芸術およびエンタメ系は、まずはこちらのモデルになるでしょう。で、Garret 氏も指摘しているとおり、これはうまく人々の「支援しなきゃ心」を刺激できたとしても(それが出来るかできないかはまた別課題)、プロジェクト目標額に達成した時点でいくら日にちが残っていても「ここは支援しなくても大丈夫」になるので「目標額を大きく超えた大成功」になることが少ない。

たしかに、ベスト10をみても、こちらのタイプと思われる「映像」は、プレ・オーダー・モデルであろうデザイン、テクノロジー系プロジェクトに比べ、目標達成率がかろうじて100%を超えているものもありそれほど高くないです。
どんだけ最初の目標額が高かったんや、という感じだけど(笑)、利他主義モデルの場合はこのくらい目標額を控えめにしないほうがよさそうですね。

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とはいえ!
「利他主義モデル」な芸術・エンタメ系であっても「大幅な成功」をしている例もあります。
このブログを読んでいる人は、というか、私自身がそっちの方が気になります。そういう例がないと困ります(笑)。なので2つ紹介します。

が、今回はここまで(笑)。
昨日のエントリ読みながら、「長いな。。」と思ったので。嘘です、時間がないからです汗

明日は2つの事例を紹介しましょ。たぶんね。
ひとつはプレ・オーダー・モデルもプラスした美しいプロモーション、もうひとつはけっこうトリッキーな感じですかね。。

KS 以外のことも書きたいのですが、もう少々お付き合いください。

※1:この記事とか

※2:この記事に詳しいです

[参照資料/サイト]

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