生きる姿勢としてのクラウド・ファンディング――ガール・ジン、tumblr そして Kickstarter

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※デビッド・カープ(Tumblr創業者)「Tumblrについて」

今の WEB サービスには、個人の創造的活動のために設計されたものはほとんどない。
そしてサービス上でのアイデンティティに誇りを持てるようなサービスも少ない。
フェイスブックでは簡単にアイデンティティを簡単に作ることができるけど、それは身分証明書のようなものでしかない。
タンブラーはオンラインでクリエイティブに活動するための、とてもユニークなサービスだ。誇りを持ってみんなに見せたいと思うものを共有できる。

(中略)

人が自分の気になるものをもっと率直に共有できるようになれば、世界はもっと良くなるだろう。

翻訳:芸術係数blog より

「about」の冒頭にも書いたのけど、
私は、創造的で、独立心が旺盛で、いいな、やりたい、と感じたことを、軽やかにちゃちゃっと一人/少人数で実現していく人たちが好きだ。

なんだかんだで 4 年、自分でも思いもよらずクラウド・ファンディングについて足を突っ込み、本まで書かせてもらったが、根本的には「個人の創造的活動のために設計された」数少ない WEB サービスがクラウド・ファンディングのプラットフォームであり、中でもクリエイティブ分野で「軽やかにちゃっちゃと実現していく人たち」をたくさん生み出したのが Kickstarter というサービスで、だからそこから醸される文化に私ははまったのだと思う。(ちなみに tumblr も大好き)

なので、私にとってはクラウド・ファンディングって文化や精神、態度の話で、あんまり求められる機会はないとしても、最終的に私はそこしか言うことがないし、いまや言うこともできない。

ということは、もう 2 年ぐらい前から分かっていて、そのことを tumblr(!)に何度か書いていた。

わかってはいても現実に見える形で思う方向にシフトしていくのは、相手やタイミングもあることだし、年単位の作業だったりするよねー、でも、逆に狼少年的にでも言い続けていれば(言い続けないとだめだけど)ちょっとずつシフトいくのも事実なんだよね、ということを胸に刻む、という個人的な目的で 2 つのポストを連作?として転載します。

ミッシング・リンクー90 年代のガール・ジンと 10 年代のクラウド・ファンディング

[2013.1.9 の tumblr より転載]

昨年(2012 年)、大きなインスピレーションを与えてくれたものの 1 つが、『ガール・ジン 「フェミニズムする」少女たちの参加型メディア』(アリスン・ピープマイヤー著/野中モモ訳)という本だった。

“true punx, real soul and the revolution girl style now.”

勝手に、密やかに、大胆に自分たちの言いたいことを自由に形にし、共有しつながっていくメディアのあり方。そんなジン文化の中でも、さらに「男性のおまけ」として捉えられがちだった女性のクリエイティビティに大きく着目し、密やかであるがゆえに掴みづらいその特徴と価値を詳らかにした素晴らしい研究であると思った。直感的に私の好きなものと、今度のヒントがたっぷりつまっていると感じ、同時期に流行っていた MAKERS にはあんまりのれなかった代わりに、こちらはど真ん中にはまった。

BOOKMARKS in London

BOOKMARKS in London

その中で、いくつか気になったジン作者たちがいる。その一人が 94 年から ”doris” というジンを発行していたシンディ・クラブという人。

ある日、何気なしに彼女のことを調べていたら、なんと 2011 年に Kickstarter を利用していることを発見した。”doris” の 9 年間の集大成となる本の印刷費用の調達で、目標 4,000 ドルを少し超えるぐらいというささやかなプロジェクトだったけれどなぜか私は無性に嬉しかった。

直前まで、本の中で研究対象として、さまざまな引用をされていた彼女が、今 Kickstarter の動画の中で、時折照れたような笑みを浮かべながら訥々と話すをみて、不思議な感慨すらあった。ああ、こうやってつながっていってるんだって。

The Doris Encyclopedia by cindy crabb

The Doris Encyclopedia by cindy crabb

その時の驚きと感慨をまだうまく表現できないのだけど、とにかく、90 年代にジンを作っていた彼女(今も作っているようだけど)が、10 年代にクラウド・ファンディングを使う、という事実が、クラウド・ファンディングがぽっとではない、連綿と流れるスピリットのひとつの現れ方なのだ、ということを実感させてくれたのが嬉しかった。で、それこそが私が好きなものなんだなって。

私には、何か惹かれる「精神」「態度」みたいなのがあって……、学生時代から今まで、関心があることは全然違っているようで、全部そこにつながっている。今回はシンディ・クラブがひとつのミッシング・リンクを繋げてくれた気がするし、新たなミッシング・リンクが生まれた気もする。そうやって少しずつ輪が繋がっていくのは、楽しい。

そして、いつかこういう視点で、いつかクラウド・ファンディングについて、書いてみたいんだよなーとも、ちょっと思っているのよね。いつになることやら、なのだけど。
[以上、転載おわり]

Kickstarter と tumblr が作り出そうとする文化

[2013.1.23 の tumblr より転載]

Kickstarter と tumblr は仲がいい。

と勝手に決めている。

だって去年(2012 年)、こんなワークショップ共同で開いてたし。(@ tumblr オフィスだよ!)

Tumblr + Kickstarter Workshop

Tumblr + Kickstarter Workshop

Kickstarter のキュレーター・ページ(いろんな組織が自分たちのおすすめプロジェクトを紹介するページ)に、tumblr も加ってて、

  • tumblr で作品公開等
  • kickstarter で資金調達

なアーティストの Kickstarter プロジェクトを tumblr ページ URL 付で紹介しているし※1

私は、kickstarter も tumblr も、どっちも「目指そうとしている文化が好き」なので(tw や FB は利用するけど、そういう「好き」じゃないんだよね)、このふたつが仲いいのはなんかしっくりくる。
どんな文化かというとそれは、思うに「人が自分に忠実に創造的であることを喚起しようとする」文化

そして、昨年末から何度となく、
「2013 年は原点に返るんです(アート、デジタル、マーケティング)」、「その中の大きいサイクルのひとつとしてクラウド・ファンディングを位置づけようと思う」と言っているのだけど、そのやり方のひとつとてして、この「tumblr × Kickstarter」的な方向を、もっと大きく、ちゃんと研究していくというのがあるんじゃないかなと思っている。

BOOKMARKS in London

BOOKMARKS in London

って、どんな方向やねん(笑)。

うーん、
しょーーじきに言うと、、、クラウド・ファンディングに関して。(あくまで)個人的には、ぶっちゃけ金融としてどうだの、とかベンチャーの資金調達がどうだの、とか、あるいはやっぱものづくりだねわいわいわい!ってところには、ある程度なるほどと思うともう関心が薄れてしまっていて、

もっとぼやーーんとしたところ……、たとえば、

  • 「インディペンデントにたくましく、そして誠実に生きようとする人」と「デジタル・メディア」が交差するところに生まれる、ある文化の匂い
  • とか、

  • あるいはこれまでのひとりひとりの歴史の中、連綿と受け継がれた ”生きる姿勢”、そのあくまで「ひとつの現れ方」としての(たまたま)クラウド・ファンディング

といったものにに関心があるしわくわくする。

↑上に書いた「ミッシング・リンクー90 年代のガール・ジンと 10 年代のクラウド・ファンディング」もそうで、
こういう流れを知ること、全然違うこと気になって調べていくうちに、あ、またここに突き当たってしまった、みたいなわくわく。(だんだんひとりごとモード)

今年は、こちらの方向性も個人的な趣味として、深堀りしていこうと思ってますという、自分への備忘録でした。

まあ、そもそも個人的な趣味・関心で勝手に熱中しだした分野だし。初心戻るべし。

[以上、転載おわり]

※1:現在、キュレーター・ページ自体がクローズ中

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