上海とアート&幻の1位のトホホな理由。~日本独自の鑑賞スタイル<番外編>

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on TumblrShare on Google+Email this to someone

ほんとは追記程度でかこうと思ってたけど、はみ出てしまったので、
前回、前々回の話の余談を2つほど。

上海の話と、2007年度入場者ランキングの1位は違っていた!という話。

<前回エントリ>

アートへの貪欲さを感じさせる上海

さてさて、
堂々めぐりになってしまいそうな話はひとまずおいといて。

前回とりあげたデータを調べていて、面白かったことをいくつか。

ひとつは、「国際都市アート意識調査」における上海のデータ。
なんかね、結果をみると、抜きんでてアートに貪欲なの。

たとえば「日常生活においてアート(文化・芸術)に触れていると感じる時があるか」、
この設問では、他4ヶ国が20~30%が「はい」であるのに対し、上海は2倍の63.5%が「はい」と答えている。
平日に美術館に行かない・行けない理由」も、どの都市でもトップ理由の「仕事/学業が忙しく余裕がないから」に続き、上海の第2位の理由は「休日に落ち着いて鑑賞したいから」。
これも、他国の1.5~2倍ぐらいの割合を占めている。
え、中国のアートの中心地は北京じゃなかったっけ?と思うんだけど、上記をみてのとおり、中国のビジネスの中心地である上海の方々は、アートが(おそらく)これからの中国、世界で生きていくにあたり非常に有効なツールであり、ゆえに貪欲にアートを取り入れようとしているのが、なんとなく伝わってくる。

そうそう、前エントリで例にあげた「美術館に求めるもの」も、他の選択項目と比べ%こそ低いものの、
「ビジネスにおけるヒント」と答えた人が全体の17.9%で、他の国が3.5~12.6%内におさまっているのに比べ、ダントツに高い。

THE 上海

THE 上海

中国アートは近年バブルで、価格が高騰しすぎてしまっているというので、(そういや、今、国立新美術館でやっている展覧会は現代中国アートを扱った「アヴァンギャルド・チャイナ」だ。)そういった投機目的な目もあるのかもしれない。
なんにしても、中国のある一部の層の中では、ビジネス、お金、出世、世界、そんなものとアートがつながっているの。そんな熱をばんばんと感じさせるデータで、ちょっとびっくりした。

たしか、中国政府はこの何十年に何千もの美術館を国中に作る、とか言っていたはずで(ごめんなさい、詳細ソースはなし)、そんなことを考えても、今後、アート業界の中の中国って、そして中国のビジネスマンってどんなふうになっていくのかなあ、なんて思う。
(ちなみに、それこそハードや学芸面や批評がきちんとする前にバブルになってしまったため、かなり中国アートはいびつになってしまっていて、少し危ない状況でもあるらしい)

007年の入場者ランキングの幻の1位は・・・

余談をもうひとつ。

2007年の「展覧会来場者数ランキング」を調べていたら、
面白い記事を見つけてしまった。

Hiding in Japan are the world’s best attended exhibitions

「Japan Times」の記事。
これによると、
Art Newspaperのランキングは、本当の1位を見逃していたらしい。
本当の来場者数1位。それは、奈良国立博物館の「第59回正倉院展」。
「第59回」とあるとおり、毎年少しずつ展示品を変えながら行われている展覧会だそうな。
これは、1日平均「14,611人」ですって!フゥ!!
しかもこれは、Art Newspaperがランキングを始めて以来の最高値だそうだ。

え。
たしかに、ちょっと年中行事っぽい展覧会だけど。
なんでそれを・・・
見逃したの?

“I’ve never heard of The Art Newspaper,” said Yoshida. And, unfortunately, the ignorance was mutual.
“If we’d known about (the museum) we would have included them,” says Jane Morris, an editor at The Art Newspaper.

それは、
お互いがお互いを知らなかったから。

どーん

なんと、なんと、せつない理由・・・

さらにこの記事では、日本の美術館の多くが、言語の壁を超えて世界に発信していこうとしていないことと書かれている。

今さらだけど、
Art Newspaperとは美術業界で権威のある専門紙である。
同様に奈良国立博物館は、日本に4つしかない国立の博物館のひとつである。

その両者が、お互いがお互いを知らなかったというのは、
日本の特に国公立の博物館の課題が潜んでいるんだろうなあ、という気がしますた。

フンフーン
3回にわたり、久し振りに長編(笑)を書いてしまった。
ひとまず、本データにまつわるお話はここで終了です。
次は、少しやわらかいネタをかこうかしらん♪

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on TumblrShare on Google+Email this to someone
記事トップに戻る

コメントは停止中です。