【発表資料公開】「『顔の見える商い』と『クラウド・ファンディング』」

下記エントリで告知していました「『顔の見える商い』と『クラウド・ファンディング』」、昨日開催されました。
当日券の方も含め、多くの方にお越しいただけました。ありがとうございますー!

■クラウド・ファンディングが可能にする「顔が見える商い」とは

当日の資料をアップしました。
(上記のエントリとかぶるところも多いですが)

※今、不具合で p.23 が表示されない場合がありますが、次のページへは進めます。
P.23 に書いてあることは「じゃあ、クラウド・ファンディングで一般の人から集めよう」です。

これまでわりと長い時間もらって、一人でべらべらくどくど喋らせていただく機会が多かったので、今回15分という持ち時間でまとめるのは苦労しましたw でも、時間超えちゃいましたごめんなさい汗。

私以外にスピーカーとして登壇された、GREEN GIRL を運営している沼田さん、ドリパスの岡崎駿介さん、PIECE UNIQUE(今週イベントでご一緒するの2回目!)の東出菜代さん、どなたのお話もすごく面白かったです! 下記ハッシュタグで一部実況されていますので、ご参考になさってください。

■『顔の見える商い』と『クラウド・ファンディング』ハッシュタグ #akinai

そして、当日のモデレーター兼このハッシュタグで的確な実況ツイートをされているイケダハヤトさん、ありがとうございました★

いろんな方と一緒にイベントに参加させていただくのって、一人で思う存分お話させていただく楽しさとはまた別の楽しさがありますね。やー、今週はそういうのが 2 回あって結構大変でしたが、すごく豊かな 1 週間でした。(おかげで、やり残していることを一気に午後片付けねばですが(-_-;))

しかし。
おそらく、個人やNPO等の活用で始まったクラウド・ファンディングですが、企業の方もご関心をもっていただける方、すごく増えてきましたね! 仮に「クラウド・ファンディング」という名前を出さずとも、こういった手法を取り入れるところはすごく増えてくるんだろうなっておもいます。

そう、クラウド・ファンディングって別に新しくもなんでもなくて、昔からの「小商い」の現代版だと思いますし、そしてまた「小商い」を見直す方向に振り子はゆっくりと振れて行っているのだと思います。
(小商い、っていうのは、売上が小さい、って意味ではないですよー)

もちろん、課題も山積みであります。(昨日の質疑応答の時少しお話しましたが、また改めてエントリしたいなとも思っています)
が、それらであきらめるではなく、ハードルを超えていくために、今後も、研究でも実践でもなんでもいいんですが、自分が面白い、かつ役に立てる部分からいろいろ盛り上げていきたいです。

【発表資料公開】「『顔の見える商い』と『クラウド・ファンディング』」http://artsmarketing.jp/wp-content/uploads/2012/03/0316eyecatch-150x150.jpg*arts marketing.jp
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【発表資料公開】「アート分野の”ソーシャル”イノベーションをめぐって」

告知にあまり時間がなかったので、こちらでご案内できませんでしたが、
昨日、

■Arts and Law × 東京アートポイント計画|アートのためのキャリア支援プログラム2
公開座談会企画「アート分野の”ソーシャル”イノベーションをめぐって」

に、スピーカーの一人として参加しました。

私は、アート・クリエイティブ分野のクラウド・ファンディングの現状に関してプレゼンしました。
その時の資料を下記に公開しています。

今回はクラウド・ファンディングとは、そのメカニズムとは、といった話ではなく、アート業界にどのようなインパクトをもたらしそうか、といったこと考えるきっかけとしての情報をまとめました。
ご参考になさってください。

私以外にも、

アートの新しい楽しみ方のひとつとして、「少額お金を払って、アーティストの別の視点、アートのもうひとつの楽しみ方を手に入れる」ことを提案している PIECE UNIQUE の東出菜代さん
PIECE UNIQUE
※ちなみに、4月予定で「マイクロメセナ」という名称に変更するそうです。

今あるアート・マーケットでは(まだ)流通されていないアート作品を売買する、オークション機能がついたアート専用のSNS「startbahn」が公開間近の泰平さん
startbahn

がプレゼン、またゲスト・コメンテーターとしてソーシャル・ベンチャーの支援を行う海津太郎さん、モデレータとして Arts and law 他多方面でご活躍の作田知樹さん、というメンバーで開催されたのですが、予想以上の数の方々にお越しいただき、大変楽しい時間を過ごしました。
トップバッターの私が持ち時間をはるかに超えるプレゼンをしてしまったため(-_-;)、長丁場となってしまったのですが、来ていただいた方々の集中力がすばらしかったです。本当にありがとうございました。

東出さん、泰平さんのサービスは、方向性は違うんですが、両方共本当に意欲的ですよ。
日本のアートの世界から、このような発想の WEB サービスが生まれたこと、すっごい面白いじゃん!って思います。わくわく!

そもそも私の出発点は「アートと WEB」なんで、それに特化していた昨日の座談会は(その後の打ち上げ含めて!)インスパイアされたことは本当に多々あって。
この2つのサービスのことも含めいろいろ書きたいんですが、明後日もイベントがありそちらの準備もあるので、今回はパワポの公開にとどめておきます。

明後日はこちらのイベントに参加します。
まだチケット販売してますし、当日券もあるようです。(前売りで買うと500円安いです)

『顔が見える商い』と『クラウドファンディング』

日時:3/15(木)19:30~21:00(19:00開場)
場所:六本木 KLabセミナールーム (六本木ヒルズ森タワー)
参加費:¥2500  ★当日券より500円お得★
協賛:KLab ventures

今回の話とは、また全然違う切り口でプレゼンします。
参考:クラウド・ファンディングが可能にする「顔が見える商い」とは

個人的には、「クラウド・ファンディング」の可能性を一歩進める、とても貴重な切り口だと思っています。
関心有る方ぜひいらしてくださいまし!
そちらで使用したパワポも終了後共有いたしますよ。まだ 1 ページも作ってませんけどね!(あせあせ)

PS
先週、Facebook ページ開設したところ、100 以上のいいね!がつきました!
ありがとうございますー

*arts marketing.jp Facebook ページ

ブログに書く以前の「考えたこと」の断片、
ツイッターにつぶやくほどでもないかなあというニッチすぎる情報(笑)を勝手気ままに書き散らかしているので、ぜひのぞいてみてください^^
※トップページ、および左のサイドバーに最新のウォールが表示されています。

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クラウド・ファンディングが可能にする「顔が見える商い」とは

※本題に行く前にふたつお知らせ

(1)Facebook ページを作ってみました!
*artsmarketing.jp Facebook ページ

ようやく立ち上げました!
このブログで取り上げているようなテーマ(詳しくはこちら)関連する最新のニュースや記事、文献や書籍の紹介、感想、考察他、つらつらと考えたことなどを更新していけたらなと思っています。まずはマイペースに出来る時更新してみようと思います。

ページのタイトルの右にある「いいね!」を押していただけると、Facebook のウォールに更新情報が届きます。あと、私のはりあいがでます(笑)。ので、このブログで扱われるトピックに関心がある方は是非お願いします!(「いいね!」を押した後の取り消しも可能です)
そして、コメント等くださるととっても嬉しいです^^

(2)クラウド・ファンディングのプレゼン資料更新しました
ファンドレイジングセミナー「クラウド・ファンディング」入門

【発表資料&参考文献公開】「クラウド・ファンディングの可能性を考える」』でアップした資料を、基本的流れは一緒ですがちょこちょこデータを入れたりわかりやすくしたりして、アップデートしました。
2.26 開催のファンドレイジングセミナーで使用したものです。ご参考になさってください。

というわけで本題です。

クラウド・ファンディングがあるゲームスタジオにもたらした「もう一つのやり方」

小商いとは、自分が売りたい商品を、売りたい人に届けたいという送り手と受け手を直接的につないでいけるビジネスという名の交通であり、この直接性とは無縁の株主や、巨大な流通システムの影響を最小化できるやり方です。
当然のことながら、そこに大きな利潤が生まれることはありません。
しかし、小商いであるがゆえに、それほど大きな利潤というもの必要とはしていない。
何よりも、送り手と受け手の関係が長期にわたって継続してゆくことで、送り手は自分が行なっていることが意味のあることであり、社会に必要とされているのだと実感することができることが重要なのです。

平川克美(2012年)『小商いのすすめ』ミシマ社 p.212

――昨月は、クラウド・ファンディング・サービス Kickstarter にとって創業後何度目かの節目の月であっただろうと思います。

  • なぜならば、それまで最高調達額だった 94 万ドルを超える 100 万ドルを調達するプロジェクトが一日のうちに 2 つ(プロダクトとゲーム)も誕生したから。(2 月 10 日(木)のことです(※1))
  • そのうちひとつ、ゲーム開発のプロジェクトは、なんと 1 日で 100 万ドルを超え、今もなお 230 万ドルを超え資金を集め続けているから。
  • そして、その約 2 週間後に、今度はコミックの分野で 3 つめとなる 100 万ドルを超えるプロジェクトが誕生したから。

Elevation Dock: The Best Dock For iPhone
$1,464,706 調達
Double Fine Adventure
$2,324,594 調達
※現在続行中
The Order of the Stick Reprint Drive
$1,254,120 調達

中でも私が思わずじーんとしたのは、ゲーム会社 Double Fine によるアドベンチャー・ゲーム開発費用調達のプロジェクトでした。

彼等は PS3 や Xbox360 のゲームを開発し、クリエイターに固定ファンもいるメジャーなスタジオです。
が、投資家たちの意思に左右されず、自分たちの作りたいアドベンチャー・ゲームを作りたい!(今時アドベンチャー・ゲーム!)、自分たち応援してくれる人たちと一緒に好きに作りたいよ!ということで、Kickstarter にて目標 40 万ドルで調達を開始したわけなんですが
ふたを開けたら、1 時間に 5 万ドルの勢いで集まってるぞぞぞぞぞぞ!!! ((( ;゜Д゜))
ということで、あっという間にに 1 日で 100 万ドルを集めてしまった、、というわけです。

 私が彼等のプロジェクトにじーんとしたというのは、10 年ほどゲーム業界にいたからというのもあるかもなんですが、ほんとにゲームの開発費用って、ハードの技術が進化すればするほど高くなる一方と言われ(携帯やスマホのゲームは違いますが)、売上が見込める人気のあるシリーズものしか作れなくなってくるわけです。
私は前職をやめてもう4年近く経つので状況は変わっているかもなので一概には言えないですが(今はソーシャル・ゲームとのたたかい?共生?むむむ?だろうなあ)、とにかく閉塞感があった、ように私は思えた。

でも、Double Fine のプロジェクトを初めてみた時、狭かった道がぱんと開け、ぐぐっと広がった気がしました。

彼等は、少なくとも現時点で 230 万ドルと 67,000 人の支援者(少しでもお金を払った人)を獲得した。
もちろん、見も知らない一般の「支援者」をこれだけ抱えたというのは、そこに伴う責任はものすごくあるわけなんですが、「お金と、投資効果の観点から口を出す専門家」の存在なしで、きちんと予算のある(ここ重要)ゲーム開発が可能になったって、これはもう本当に画期的なことなんじゃないかと、

とはいえ、今まで通りのやり方での大型開発案件もあり続けるし、そうやって作ってるものもないとダメだと思います。
私はベンチャーにほぼ創業時からいてマーケティング統括として上場まで経験したので、大きなお金をベンチャー・キャピタル等が調達することがいかに会社を成長させるために重要か、それがあるかないかによって事業規模、インパクトがまったく変わってしまうこと、幾分かはわかっているつもりです。(この「成長」というのがひとつ見直す課題だと『小商いのすすめ』では言っているのですが)
なので、映画の世界でハリウッドはあり続けるし、そうあるべきだと思うし、実際”ハリウッド映画”だって好きだし。彼等だってこれからも従来のスタイルでの開発もやり続けるでしょう。

でも、そこにぶらさがるしか開発者には道がない、というのではなく、「こっち」にも(がんばれば)方法がある、というのはクリエイターにとってよいことであり、なにより面白いものが生まれる可能性がぐぐっと広がったよなあと思うわけです。(※2)

そして彼等は、「すべてが自分たちの責任となるので、支援者の人には開発のプロセスをオープンにする」と言っています。実際、このプロジェクトで一番安い支援額である 15 ドルから「支援者のみに公開の議論プラットフォームへの参加権」が報酬として用意されており、ここでも意見を聞き、議論をしながらゲームは創られるという。作る人(売る人)と楽しむ人(買う人)がダイレクトにつながって商品を創っていく、まさに冒頭に引用した「小商い」のスタイルがここで実施されようとしているのです。

「支援者」は事業における最初の「購入者」であるということ

というわけで、最初の引用。(※3)

WEB で大人数から少額ずつ資金を調達する=クラウド・ファンディング とは、カジュアルな資金調達の手法であるというのみならず、Double Fine の例のように、「自分が売りたい商品を、売りたい人に届けたいという送り手と受け手を直接的につないでいけるビジネスという名の交通」を可能にする”きっかけ”となる手法であると感じています。

日本でも、既にこの兆しはきていて、たとえば、一昨日立ち上がってあっという間に一日目標額を超えた、『あなた×お酒をもっと楽しく。日本酒の定期購入サービス、「SAKELIFE」』というプロジェクト。

 これは、「厳選されたお酒、それを盛り上げるお猪口(おちょこ)・徳利(とっくり)などの酒器、美味しい呑み方・身体に優しい呑み方や呑むお酒の背景などが載ったメールマガジンを定期提供」するサービスである SAKELIFE を立ち上げるにあたり、WEB 制作資金を募っているわけですが、支援のリターンは、お猪口やお酒、無料で何ヶ月かサービスを受けられるといったものなんですね。

きちんと調査したわけではありませんが^^、きっと支援した人はお酒が好きで、実際にこのサービスおもろいから使ってみたい、酒ほしい(笑)、という人が多いと思われます。
私は以前から、「クラウド・ファンディングは寄付じゃなくて、お買い物なんだーー」と言い続けているつもりですが、無理なくお買い物になっているわけです。ゆえに一日で目標突破した後も支援者は集まっており、現在目標対 250% までのびている。

となると、お金を払った人は「支援者」であると同時に、SAKELIFE にとっての「最初の購入者/お客様/お得意様候補」でありもう「顔の見える商い」が始まっているのですよね。(ちなみに、SAKELIFE 主宰の方のツイッターをちらっと拝見したところ、支援者の方ひとりひとりに御礼のメンションを送っていてちゃんとしているなーと思いました)

こういった使い方はこれからも増えると思いますし、クラウド・ファンディングというまだ日本のメディア等では「WEB での寄付」「支援」「共感」「がんばれ」みたいな捉えられ方、切り口も多いのですが(個人的にはこちらに寄り過ぎて語られるのは誤解の元だなあと思うところもあります)、実は「顔の見える商い」をするひとつの”ツール”として組み込むことにすごく可能性があるのではないかと思っていたりします。

実際、最近は個人の方だけでなく、企業の方からも事業の中で新しいコミュニケーションの取り方、小売先のひとつとしてのクラウド・ファンディングの可能性に関心をもっていただくことが徐々に増えてきているなーと感じています。

 というわけで!! ながーい前フリをしましたよ。

「『顔が見える商い』と『クラウドファンディング』」

 このあたりの可能性ってどうなんだろうね? ということを考えるイベントにスピーカーとして参加することになりました。

『顔が見える商い』と『クラウドファンディング』

  • 日時:3/15(木)19:30~21:00(19:00開場)
  • 場所:六本木 KLabセミナールーム (六本木ヒルズ森タワー)
  • 参加費:¥2500  ★当日券より500円お得★
  • 協賛:KLab ventures

このイベントでは実際に上記のような”小商い”を「特化型(女性、映画、アートなど)クラウド・ファンディング・サービス」という形でやってみよう、とトライされている方々と、「クラウド・ファンディングの可能性」を考えていきます。
私は、上記のような話を含めクラウド・ファンディングの概念や現状に関して簡単にプレゼンする予定です。(う、もしかしてイベントで話すこと今日ほとんど書いてしまったやろか汗)

まだまだ「クラウド・ファンディング」って言葉自体が市民権を得てない中、なかなかに挑戦的なイベント!だと思いますがw 主催の GREEN GIRL(こちらも女性に特化したクラウド・ファンディング・サービスです)をやっている沼田さんは、こういった”商い”のあり方にすごく関心をもって実行されている方で、彼も当日スピーカーとして登場するので、なかなか面白い・・・他にないイベントになるんじゃないかなーと思います。

他スピーカーは、映画関連の共同購入&クラウド・ファンディングサイト「ドリパス」運営の岡崎駿介さん、「PIECE UNIQUE」というアーティスト支援のサイトを昨年末立ち上げた東出菜代さん(PIECE UNIQUE にかんしてはこちらのブログでも一度きちんと紹介したいなーと思ってます!)
モデレーターはソーシャル・メディア関係のライター等でご活躍のイケダハヤトさんです。

面白そうだなっと思った方は下記サイトよりチケットを購入くださいませ。
『顔が見える商い』と『クラウドファンディング』

最後は宣伝ですみませんでした★
どうぞよろしくお願いいたします!

今月は少し時間が割けそう、、なので、またクラウド・ファンディングの研究をもう一段階深めたいと思っています。このゲームがなぜこれだけ成功したのかについても、まだまだいろいろ語るポイントはあるのです。なので、ブログはもっと書きたいにゃあ。意志はあるのですよ。うん。えーん

(※1)
この 1 日の様子は、下記 Kickstarter 公式ブログに詳しいです。最後の祝杯の写真はすてきです
24 Hours

(※2)
もちろん彼等の場合は、20 年の積み重ねと実績による彼等自身への「信頼感」があるというのがとても大きいです。
なので、クラウド・ファンディングをしたからといってすぐにこれが可能、というわけではありませんよ。

(※3)
ちなみにこの『小商いのすすめ』という本で書かれている「小商い」という言葉は、ビジネスの規模の大小というわけではありません。
私も最初それを勘違いしていて(つまり、小規模の街のお店ばんざいみたいな)+中盤ある「三丁目の夕日」的世界観(←けっこう苦手)もあいまって、なかなか読み進められなかったのですが、最後に最後に引用部のような「肝」がいろいろ書かれています。

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【セミナー告知】<日曜午後開催>「ファンドレイジングセミナー~『クラウド・ファンディング』入門」

【02.24 追記】
下記、追加席分もすべて満席となりましたので受付を終了しております。
ありがとうございました!
——————-
告知です。

2 月 26 日(日)13:30~、武蔵小杉のかわさき市民活動センターにて開催される「ファンドレイジングセミナー~『クラウド・ファンディング』入門」にて、お話させていただきます。

対象者として「団体の資金獲得に関心のある方および団体を支援する中間組織の方」となっていますが、実際は誰でも可能です
クラウド・ファンディングってどういうもので、どうしたら資金が集まるのだろう? という初歩のところをお話いたします。

Questioned Proposal
Questioned Proposal / Eleaf
クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
この 作品 は クリエイティブ・コモンズ 表示 2.1 日本 ライセンスの下に提供されています。
1月末にお話した「クラウド・ファンディングの可能性を考える」でのプレゼンがベースとなりますが、
今回は、敷居をより低く、ちょっと身近に感じていただけるよう日本の事例も取り混ぜつつお話できればなーと考えています。

最近お話させていただく機会も増えていますが、私は”講師”業が生業ではありませんし^^、あくまでその時点で私が話せる最大のことをお話できたら、ということで、どのイベントもちょっとずつお話する内容を変えられたらなーとは思っています。(というか、同じことを話すのは個人的につまらないんですね)

交流の時間もありますので、ちょっと相談してみたい、こんなことってクラウド・ファンディングで集められるかしら、という方も是非いらしていただければと思います。日曜お昼、場所は武蔵小杉駅から3分の大きなタワービルの1Fです。
ご関心有る方は、氏名・住所・電話番号・所属団体名・Fax番号またはメールアドレス(ある方)を明記のうえ、下記までお申込みください。

  • メール:suisin@kawasaki-shiminkatsudo.or.jp
  • Fax:044-430-5577

先着20名までとなっております。
どうぞよろしくお願いいたします!

ファンドレイジングセミナー~「クラウド・ファンディング」入門概要

  • 主催:かわさき市民活動センター
  • 開催日:2012年2月26日(日)
  • 開催時刻:13:30~16:30
  • 会場:かわさき市民活動センター会議室(JR/東急線 武蔵小杉駅徒歩3~5分)
    http://kawasaki-shiminkatsudo.or.jp/map.htm
    http://is.gd/vftHyo (Google map)
    ※パークシティ武蔵小杉ミッドスカイタワー(59F 建)の 1F です。
  • 定員:20名(先着)
  • 対象者:団体の資金獲得に関心のある方および団体を支援する中間組織の方(とはいえ、誰でも参加可です)
  • 申込方法:2月15日(水)から、Faxまたはメールで、氏名・住所・電話番号・所属団体名・Fax番号またはメールアドレス(ある方)を明記のうえ、下記までお申込みください
    メール:suisin@kawasaki-shiminkatsudo.or.jp
    Fax:044-430-5577
  • 費用:1,000円(当日会場にて徴収します)
  • 内容詳細:
    1人が、1万人から、1,000円ずつ、1,000万円を集める―。
    市民活動でも資金獲得(ファンドレイジング)は大切だ、と言われても
    そもそも「ファンドレイジング」なんて意味がわからないし
    どんな方法があるのかとか
    ましてや「クラウド・ファンディング」なんて何のことやらさっぱりわからない
    ―とお考えの、市民活動に関わる方はぜひご参加ください。
    市民活動団体の資金源のひとつである「寄附」の、新しい形として注目されている「クラウド・ファンディング」の方法を学ぶための講座です。クラウドは、最近よく聞かれる「クラウド・コンピュータ」などのクラウド(cloud)ではなく、「群衆」という意味のクラウド(crowd)です。
    ビジネスの手法を、どのようにして市民活動に取り入れるか、一緒に考えませんか。
    また、当日は参加者同士の交流もあります。
    《講師》 山本純子さん(㈱アーツ・マーケティング代表)
  • 問い合わせ先:公益財団法人かわさき市民活動センター 〒211-0004 川崎市中原区新丸子東3-1100-12
    Tel:044-430-5566  Fax:044-430-5577
    E-Mail:suisin@kawasaki-shiminkatsudo.or.jp
【セミナー告知】<日曜午後開催>「ファンドレイジングセミナー~『クラウド・ファンディング』入門」http://artsmarketing.jp/wp-content/uploads/2012/02/0216_01eyecatch-150x150.jpg*arts marketing.jp
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【発表資料&参考文献公開】「クラウド・ファンディングの可能性を考える」

昨日、前回告知しました(株)ソーシャルインパクト・リサーチ主催のセミナー「ソーシャルベンチャー(投資の対象になるには?)」が無事終了いたしました!

Socialbar Berlin
Socialbar Berlin / socialbar
クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
この 作品 は クリエイティブ・コモンズ 表示 2.1 日本 ライセンスの下に提供されています。
で、私は「クラウド・ファンディングの可能性を考える」と題し、1時間強プレゼンテーションさせていただきました。
実際に調達された方、運営の方から金融系、IT 系の方までさまざまな方に参加してくださり、少々内容を欲張ってしまったため駆け足になりましたが、質問もいろいろ出て、大変刺激&勉強になった一夜になりました。
参加してくださった方、本当にありがとうございます! 楽しかったー

今回のプレゼン資料

下記に公開します。(勉強会時より少し修正しました)
今回、いろいろアニメーションで示しているところが前回以上に多いので、pdf で静止にしていると若干伝わりづらいところがるかもしれませんが、ご容赦ください。

—————–
■目次
0. 今日のポイント:p.6
1. クラウド・ファンディングの基礎知識:p.20
—a. 資金調達手法の中でのクラウド・ファンディングの位置づけ:p.21
—b. クラウド・ファンディングの始まり:p.24
—c. クラウド・ファンディング・サービスの広がり:p.29
—d. クラウド・ファンディング・サービスのシステム:p.40
2. 【仕組み1】ファンでない人がお金を払う仕組み:p.48
—a. クラウド・ファンディングが他の資金調達手法と圧倒的に違うところ:p.49
—b. クラウド・ファンディングによる支援者の面白い特徴:p.54
—c. 彼らがお金を支払う理由:p.71
3. 【仕組み2】お金を払った人がファンになる仕組み:p.104
—a. お金を払った人を巻き込むもの:p.105
—b. 本当は何を「買った」のか?:p.126
4. 最後に:p.153
—貨幣についての話:p.154
—————–

以前公開した「1人が、1万人から、1000円ずつ、1000万円を集める」の資料とは使い回しているシートもありますが、一応刷新しています。
特に、「1-a」の表や、「1-c」で Kickstarter と競合 IndieGoGo を比較したところ、そしてp.126 以降最後まで、ブログにも書いていない部分です。
今回はアメリカ等で先行している研究も参照したので、少しは有用な資料になれたかな、、。

ご関心有る方は、枚数だけは大量にありますが、字が大きい紙芝居方式?なので是非ご参考になさったうえ、感想などありましたら是非お願いいたします!

WEB で読める参考文献、記事

ちなみに、参照した文献、記事で WEB で読めるものはこちらです。

■K.J.P.M. Voorbraak. (2011). Crowdfunding for financing new ventures: consequences of the financial model on operational decisions.

■Sarah E. Needleman. (11.01.2011). When ‘Friending’ Becomes a Source of Start-Up Funds”. THE WALL STREET JOURNAL online.

■J. Sanfilippo. (2011). Final Project: Crowd Funding and Cultural Production.

■S. Ncdcski. (2011). Crowdfunding on Kickstarter.com –Exploring the relationship between consumers and producers.

全部英語ですが、なかなか参考になると思います。
一昨年くらいからクラウド・ファンディング系論文も一気に増えてますね。そのあたりをちまちまと紐解く作業も、大変ですが楽しいものです^^

さて、今後はまずは、この資料の中でさらに詳しく書きたいところ、発表会で出てきた話題で気になったこと、そして書ききれなかった話題などをエントリしていこーかなーと思っています。
もう、ほんとに、書きたいことは山のようにあります!! オファーがあり、美術館とソーシャル・メディアについてもそろそろ本腰いれてまとめねばなりませんし(-_-;)。それもこちらに書いていきたいのだが。。

そうそう、2月3月予定の勉強会やイベントの告知もぼつぼつできるとおもいますので、よろしくお願いしまーす。

【発表資料&参考文献公開】「クラウド・ファンディングの可能性を考える」http://artsmarketing.jp/wp-content/uploads/2012/01/0127eyecatch-150x150.jpg*arts marketing.jp
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【セミナー告知】ソーシャルベンチャー(投資の対象になるには?)

【01.17 追記】
下記、定員に達したため締めきりました。
また同様のセミナー等ある際は告知いたします!

———————
告知です。

ちょっと急なのですが、来週 1/26(木)に(株)ソーシャルインパクト・リサーチ主催のセミナー「ソーシャルベンチャー(投資の対象になるには?)」で、クラウド・ファンディングについて講演することになりました。

Socialbar Berlin
Socialbar Berlin / socialbar
クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
この 作品 は クリエイティブ・コモンズ 表示 2.1 日本 ライセンスの下に提供されています。
この勉強会は、

  • ソーシャル・ベンチャーと呼ばれる社会の課題を事業によって解決することを試みる企業もしくはプロジェクトを立ち上げたい(もしくは立ち上げている)人たち
  • および彼らに対しての投資に関心がある人たち

に対して定期的に開催されているそうで、今回が4回目だそうです。

2 時間半の勉強会のうち、私は約 1 時間を担当し、『ソーシャルビジネスでクラウドファンディングで資金調達する方法』という(仮)タイトルで、下記のようなことを話す予定です。
(まだ構成を完全に固めきれていないので、変わる可能性もあります)

  1. クラウド・ファンディングとは何か
  2. 従来の資金調達と根本的に違う考え方
  3. クラウド・ファンディングで目標達成したプロジェクトの特徴
  4. クラウド・ファンディングを有効に活用するには

10 月末に別の勉強会でお話したプレゼン資料からは刷新して、前回とは違った視点も入れつつ、ソーシャル・ベンチャーに関心のある皆様にできる限りお役に立てるような、特化した形でお話できたらなーと思っています。(※1)

既に先週末にメンバーの方には告知されましたが、基本的に誰でも参加 OK とのことなので、関心おありの方は下記案内、もしくは Facebook イベントページをご参照ください!
主催の熊沢拓さんとも、会社自体への投資というよりかはプロジェクトベースの投資がどんどん増えてもいいよね(そしてクラウド・ファンディングはそちらにより向いている)という話をしていたので、起業を目指しているわけではないのだけど。。という方もお気軽にどうぞ。

やー、以前の勉強会でお話させていただいた時は、アーティスト、芸術関係と(今から思えば)すこーし「同じグループ」な安心感がありましたが、今回は社会起業という私にとっては新たな分野、そちらの起業家・投資関係の方が多いそうで、緊張&責任感じますね~
が、逆にお互いにとって新しい視点が提供しあえたらいいなと思いますので、きちんと事前準備をして、私が話せるすべてを話してきたいなと思ってマース。今まで接点がなかった方々とお会いできることが今からとっても楽しみ。

ちなみに、クラウド・ファンディング関連勉強会でのプレゼンは来月も予定しております。また告知しますね。
ではではよろしくお願いしますー。

セミナー「ソーシャルベンチャー(投資の対象になるには?)」

※お申し込み方法:Facebook イベントページよりお申し込みください。もしも Facebook アカウントをお持ちでなく参加をご希望される方は info(アットマーク)artsmarketing.jp までお問い合わせいただければと思います。

以下、告知文章より
■日時:2012年1月26日(木)18:30〜21:00
■場所:京橋区民館
http://www.pb-k.jp/city.chuo.7kuminkan/kyobashi-ku.html
京橋二丁目6番7号
東京メトロ銀座線京橋駅下車6番出口 徒歩2分
■人数:30名
■料金:1000円
■概要:
※毎月、ソーシャルベンチャーのセミナーを行っています。今度、ソーシャルビジネスに投資する団体(任意団体)を立ち上げたいと考えています。

これまでのNPOやソーシャルビジネスは助成金や寄付の対象で、投資の対象ではありませんでした。ソーシャルベンチャーパートナーズ東京という団体もありますが、社会起業家に対する寄付モデルであって、投資モデルではありません。

しかしながら、時代は急速に変わっています。

ソーシャルビジネスの中でも、投資の対象となる団体も出始めています。また、今後を考えると、そういう投資の対象となるソーシャルビジネスを育てていくことは意義のあることだと思います。

ベンチャーキャピタルや金融畑の方々にソーシャルビジネスに投資して、自分も経営支援をしたいと考える方がたくさんいらっしゃいます。

ソーシャルビジネスにチャレンジされる方々を結びつける場を作ってみたいと思っています。

今回は、ゲストスピーカーとして、(株)アーツ・マーケティング代表の山本純子さんをお呼びしております。

山本さんは、
クラウドファンディングに詳しいので、
『ソーシャルビジネスでクラウドファンディングで資金調達する方法』というテーマでお話してもらおうと思います。

【前回の講演slideshare】「1 人が 1 万人から 1000 円ずつ 1000 万集める

■プログラム:

  • 挨拶(鈴木克也 はこだて未来大学 元教授)
  • 熊沢 拓 ソーシャルビジネスの投資プラットフォームについて
  • 山本純子さん講演 仮題『ソーシャルビジネスでクラウドファンディングで資金調達する方法』
  • ワールドカフェ
  • 起業家のプレゼン

以上

【セミナー告知】ソーシャルベンチャー(投資の対象になるには?)http://artsmarketing.jp/wp-content/uploads/2012/01/0116eyecatch-150x150.jpg*arts marketing.jp
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クラウド・ファンディングからアート×IT ネタ、アート・マネジメントの初歩まで:2011 年の人気エントリ 20 選

さてさて、新年のご挨拶に続き 2011 年アクセス数が多かったエントリたちです。
最近このサイトを知ってくださった方も多いみたいなので、時期を逸していますがランキングを掲載してみました。

内容は大きくわけて
・クラウド・ファンディング系
・アート×IT系
・アートその他
な感じ。

もう書かないような数年前のネタも何度も何度も検索されてアクセスが集まるって、ブログのいいところ(&ちと恥ずかしいところ)だなーと思います。
では、どうぞー。

arts marketing.jp 2011 年人気エントリランキング

No.1: (10.28.2011)
【発表資料/まとめ公開しました】10.25 開催クラウド・ファンディング勉強会
2011 年ダントツのヒット・エントリはこちらでした。最初にツイートやブログで紹介してくださったイケダハヤトさん本当にありがとう! こちらに貼ってあるプレゼン資料は、昨年夏にクラウド・ファンディングについて連続エントリをしながら発見し、考えをまとめていったものの一応の集大成で、「クラウド・ファンディングは従来の支援の WEB 版にとどまらない」という主張をゲーム化にからめてみました。でも、既に自分的には少し古い感じもしていて、早晩アップデート、もしくは新しい視点でのまとめをしていければなと思っています。

No.2: (8.11.2011)
WEBで数万ドル集めるアーティストたち
クラウド・ファンディングは、基本的には「プレ・オーダー」形式、つまり「(市販されていない)これを作りたいので、予約してください」タイプのプロジェクトが”大成功”をおさめやすいと言われています。”支援者”は、支援というよりはその「もの」が欲しいので、購入代金を支払う感じでお金を払う。なので、その「もの」さえアイディアにあふれ需要があるものであれば、目標額を超えてもどんどんお金が集まるわけです。では、そうではないもの(CD 等作品を作りたいというアーティスト等)はクラウド・ファンディングは向いていないのか? いえいえ、そういうアーティストでも大成功している例はあります。その秘訣は?というエントリ。

No.3: (9.28.2010)
アート・コレクター夫婦の物語『ハーブ&ドロシー』
2010 年のエントリです。こちらは、アート× IT 関連ではない純粋に映画紹介エントリですが、検索で上の方にくるみたいで、いまだにアクセスがあるんですね。このブログは基本的には映画紹介とかしないので、珍しい部類のエントリなんですが、、しかし、この頃は、まさか『ハーブ&ドロシー』の映画の続編がクラウド・ファンディング・サイト(Kickstarter)を使って資金調達し、それを通じて自分も支援し、最終的には監督に取材することになるなど思ってもみませんでした! というわけで、なにか不思議な縁を感じてます。

No.4: (4.15.2008)
東京ガールズコレクションにあって、CHANELになかったもの
なんと、2008 年のエントリですよ。そして、昨年も一昨年も年間の人気アクセス・ランキングに入っとりました。東京ガールズコレクションで検索する人が多いのかなあ。。まあ、退職したてのときのエントリでまさか大学院に入ってアート・マネジメントを学ぶことになるとは夢にも思ってない時期のエントリでなんともかんとも( ゚д゚) あまりにも浅くてちょっと恥ずかしかったりw でも、お金とコミュニティって今の関心時でもあるので、改めて読んでなかなかヒントになることがあったりしました。

No.5: (1.21.2009)
現代アートが難解かつ高額な理由~「現在のアート界のルール」その1
はい、これも 2009 年の。。大学院に入る直前でいろいろこのあたりのことを勉強してた頃の一連のエントリのひとつ。「価値=価格」「価格を決めるのはインフラたる言語(英語)」などなど、金融マーケットとしてのアート・マーケットについての超超初歩のメモ書きみたいなもんですが、自分自身が忘れてたので改めて読むとなかなか勉強になりました(おい)。この頃に比べ、アートの流通の仕方もまさに WEB も通じて少しずつ変化見られてきていると思うので、その視点からまた読みなおすと面白いんだろうなとちょっと思ったり。

No.6: (9.1.2010)
「芸術」で仕事をしていくこと
ブログを書いているとごくごく稀に「書いてよかった」と思うエントリがあるんですが、これはそういう種類のエントリ。アート・マネジメントの大学院に入ってはみたものの「やべーアートで仕事なんてできねー」と苦悩(苦笑)した自分を励ますような内容なんですが、これに共感してくれたアート関係の方が意外に多く、書いてよかったなあと思いました。そして、今でも「芸術 仕事」といった検索ワードで訪れる人が多く、芸術に関わる仕事をしたい(けど…)という人たちがどれだけ多いかというのを感じます。

No.7: (8.9.2011)
Kickstarter は2年でどれだけクリエイターを助けたか
クラウド・ファンディング関連最初のエントリです。この時点でも Kickstarter はかなりの成長率と実績があったのですが、この後 2011 年後半にはさらに急成長を遂げています。そのあたりは「半年で急成長する Kickstarter (1)――100 万人が 1 億ドルの支援」にまとめていますので、合わせて読んでいただけると比較ができるのではないかと思います。Kickstarter に関しては、今回のサンダンス映画祭出品作品の約1割が Kickstarterで資金調達したもの等確実に「クリエイターを助ける」インフラとなりつつあると思います

No.8: (1.8.2010)
グルーポンとミュージアム・劇場
ぐるーーぽーーーーーん!!! ちょうど 1 年前のエントリ。そう、グルーポンおせちから 1 年です。たった 1 年ですよ。もうだいぶ昔のことに思えますね。日本ではイメージ的にミソがついてしまったようにも感じるグルーポンですが、本国では昨年末に上場し、ミュージアムや劇場のこういった取り組みも普通に行われているみたいです。(たまたま、昨年末どこかのミュージアムのキャンペーンをみました)で、Kickstarter 型クラウド・ファンディングはフラッシュ・マーケティングと仕組みは一緒なので、このあたりの比較もほんとはしたいんですよね。

No.9: (8.9.2010)
『ようこそ、アムステルダム国立美術館へ』と”I amsterdam”
こちらも映画を取り上げた珍しいエントリ。「パブリック」という言葉は最近よくとりあげられますが、優秀なキャンペーンで「住むことに誇りをもつ市民が集まる街」を作り上げたアムステルダムが、そのコインの裏ではまさに「誇りある市民」によって国立美術館の改修が頓挫していた、、、ということを書いてみました。
ちなみに、このエントリを書いた 2010 年よりも「I amsterdam」という言葉で検索してくる人がとても多くなっているなというのが実感としてあって、「プライドある街」とは今の関心事なのだろうなと思います。

No.10: (8.26.2008)
アートマネジメントの意味と歴史~アートマネージメントってなあに?<1>
大学院の入試勉強をしていた頃のエントリ。勉強のまとめとして書いていました。このシリーズや、アーツ・マーケティングの初歩をエントリし続けたもの等 2008 年はわりと「アート・マネジメント」関連のエントリが続いています。(そして、そういったキーワード検索できてくださる方が本当に多いです)
しかし。院を修了した今も、「アート・マネジメントとは」という深遠なる問いは続行中なのですわ!

No.11: (8.12.2010)
Kickstarter 成功/失敗データからみる「新しさ」
これは、独自で集めたデータを検討していくことで「クラウド・ファンディングは、見返りを購入したいという欲求を満たすプロジェクトがより大きな成功をおさめるのだ」「だから、通常の寄付や支援と違い、一人で何十、何百もの見ず知らずの人がやってるプロジェクトに”支援”する人があらわれるのだ」という発見をした最初のエントリなので、自分の中では超重要です。今は「それだけじゃない」ということも指摘したいわけですが、でもこのことに気づいたことはクラウド・ファンディングの可能性にハマる第一歩でした。

No.12: (9.14.2010)
アーティストへの投げ銭システムは成功するか?――”Art Micro-Patronage” の場合
クラウド・ファンディングと似ているけど非なるもの「投げ銭」。これは、アートに関心のある人たちからの反応がわりとあったように記憶しています。このエントリにも書いていますが、やっぱり「投げ銭」は現代アートにはあんまりあってないんじゃないかというのが今でも思うこと。(音楽やダンスのライブ配信とかはあってる気がします)
このサービスは2ヶ月遅れで開始していますが、うーん苦戦しそう。ただ、WEB で投げ銭させるやり方は洗練されており、参考になります。

No.13: (9.26.2010)
マイクロ・ファイナンスからクラウド・ファンディングまでの変遷
「クラウド・ファンディング」まわりのワードを一度整理しておこうと思って書いたエントリ。マイクロ・ファイナンスとクラウド・ファンディングはまったく違うものなんですが「マイクロ・ファンディング」とか「ソーシャル・ファイナンス」とか、言い方が統一されていないことからの誤解もおきやすい状態なので。。自分自身、勉強になりました。実際、ファイナンス系の方々の関心も(もちろん)とても高い分野なので、意見交換できるぐらいはちゃんとファイナンスの基本ぐらいは学ばないとんなーと思ったきっかけでもあります。

No.14: (3.20.2010)
1週間後の備忘:芸術は世界と人間の可能性の扉だと信じること
震災後に書いたエントリ。ただ、この時はまだ自分の中で原発への認識が甘く、あまりにも牧歌的だ、と感じるの正直なところ。でも、無理に焦って、自分をなくすのだけはやめよう』『「今すぐできること」に没頭するあまり、本当に「私がやるべきこと」をないがしろにしてしまうのは長い目でみて、自分に対しても社会に対しても得なことではない』という考えは今も変わっていない。「やるべきこと」といわず、「(本当に心の底から)ぴんとくること」と言い換えてもよいとすら最近は思います

No.15: (2.14.2011)
Google Art Project に人々はどう反応したか? その1
これも約1年前ですねえ。。Google が突然に「Google Art Project」を発表したのが 2011 年 2 月 1 日のこと。発表当初はけっこう話題になっていたと思いますが、その後特に追加ミュージアムがあるわけでもなく粛々とサイトは存在している、という感じ。とはいえ、このプロジェクトが最初うちあげただけ、とかぽしゃったとかそういうのではなくて、Google 的には世界の情報を整理することのごくごく一部の実践であり、長いスパンで粛々と進んでいき、気づいたときには Google マップから美術館の中に入り作品をみるなんてことも普通になってくる時代がくるのかも。また、このプロジェクトは、ミュージアム経営と IT、アートの見方等の大きな転換期となったと思います。

No.16: (12.1.2011)
【前編】『ハーブ&ドロシー』の佐々木監督に Kickstarter での資金調達の話を聞きました~プロジェクトはどう進んでいったか
昨年 12 月に書いた直近のエントリ前編。佐々木さんへのインタビューは、私にとって「クラウド・ファンディングの意味と可能性とは」を改めて考え、新しい切り口を与えてくれるきっかけとなりました。また強い想いとその姿勢にすごく刺激も受けました! クラウド・ファンディングといえども、システムに乗っけたからって自動的にお金が集まってくるはずもなく、そこには大変な努力が必要なこと、しかし、真摯に取り組めば資金以上のものを得ることができる可能性があることが、このエントリから伝わればうれしいなーと思います。

No.17: (2.19.2011)
【プレゼン資料紹介】SOCIAL MEDIA WEEK ミュージアム関連セッション
いまや日々いろいろなところで、この手のセッションは行われており、動画やプレゼン資料が公開されていて、そういうのをブログで紹介することを考えていた時期があり、その第一弾として書いたエントリ。
んがしかし、こういったイベント、セッションがあまりに多いので断念しました(笑) 一部 Tumblr にためているのと、Facebook でとりあえずリンクだけでも貼ってためていければなと思ってますー

No.18: (11.14.2011)
半年で急成長する Kickstarter (1)――100 万人が 1 億ドルの支援
先程も紹介しましたが、昨年 10 月時点での Kickstarter の実績を 3 ヶ月前、半年前と比較して紹介しました。昨年春以降大躍進しているのがわかるかと思います。最終的に Kickstarter は 2011 年年間で合計 $99,344,382 の支援をしたんだとか。2010 年が $27,638,318 なのでざっと前年比 360%! WOW ということで今年も個々のプロジェクトとしても、ポータル全体としても共に追っかけていきます。なぜ、Kickstarter だけがこれほどまでに成功しているのかも気になるところですねー。

No.19: (9.21.2011)
あのミュージアムのスコアはいくつ?――Klout からみる WEB コミュニケーション・スタイル(1)
WEB での影響力を測る指針として広まってきている Klout スコアを元に、ミュージアムごとの WEB コミュニケーションをみてみる、みたいなことをしてみました。なかなか面白く、続けて調査してみたかったんですが、途中で Klout スコアの算出方法?が変更(たぶん)になり大幅にスコアが変わるという悲劇がおきました(笑)。評価を厳密にしていくために、スコアを是正していくことは今後もあると思うので、なかなか時間経過で追って分析するのは難しいなーと思っているところ。でも、こういう(少々乱暴でも)ある指標でカテゴライズしていくと見えることもあるので、また時期をみてやってみたいです。

No.20: (8.15.2011)
美術館とソーシャル・メディアのすてきな事例(1)
(1)と書いてますが、これはまだ(2)がありまへん(笑)。昨年後半はクラウド・ファンディング一色になってしまったんですが、そもそもは私は「アートを(WEB を中心にして)伝えること」に関心があって大学院に進んでますし、美術館のソーシャル・メディア活用方法に関しても少しずつ需要が高まっていってるのは感じますので、この手の話題はライフワークとして常に追っていきたいと思ってます。

以上、ほとんど自分の振り返りみたいになっちゃいましたが、、、
今までこんなエントリを書いていて、これからも多少は傾向は変われど書き続けていければよいなと思ってます。今年はどんなエントリがどのくらいかかれることになるのやら。
今週中に一度アップしたい! がんばります

クラウド・ファンディングからアート×IT ネタ、アート・マネジメントの初歩まで:2011 年の人気エントリ 20 選http://artsmarketing.jp/wp-content/uploads/2012/01/0111_2eyecatch-150x150.jpg*arts marketing.jp
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新年のご挨拶&2012 年は。

1 月も半ばにさし掛かっていますが……あけましておめでとうございます。
今年初のエントリです。

Happy 2012
Happy 2012 / Scott Meis Photography
昨年は 3 月に大学院修士課程を修了し、さてこれからという時期と震災が重なり、混乱の中からの第一歩、という感じの年でした。
プロジェクトとしては 11 月末の国際シンポジウム開催というのが大きくあって、それに伴うプレ・プロジェクトの実施や、その他請けた企画/制作/運営仕事、新規プロジェクトの企画準備などこまごまあったのですが、基本的には来た流れに乗ってやっていった 1 年だったかと。

その中で、“昔からなんでだか惹かれてしまう、気になってしまう「なにか(言葉にできない感覚)」”の一部を具体化したような現象として、「クラウド・ファンディング」という大きなキーワードをもらった年でもあります。
このキーワードを自分なりに調べ始め見事ハマって(笑)やいのやいの言ってるうちに、深く深く広がっていく世界、確信、そしてつながっていく縁を感じるすばらしさは本当に計り知れないもので、昨年後半の私の大事な宝物となりました。

年末以降ネット(というか SNS)からも離れ気味で、ひたすら読んだり、話したり、考えたり、ぼーっとしたりしていましたが、
今年は、今抱えているものを終わらせたらひとまず「制作/運営受注の仕事はお休み」しようと思っています。

そのかわり、既にいくつかお話いただいている、スピーカーや講師/リサーチ/執筆の仕事をちゃんとクオリティのあるものにして、増やせていければなと。(公開可のものはなるべくこちらで告知や報告していきます)
そうしている中でおそらく、早晩ピンとくる形態や企画が見えてくる気が予感としてあるので、それを小さく事業化したいなと、、
そのくらいを今年のゆるやかな「仕事のベース」にしたいなと思っています。あくまで会社というより個人の名前でやるような感じ。そして、基本はやっぱり「やってきた流れにのってく」ということで^^
気分的には若干のんびり気味、、というか「ちゃくちゃく」という感じなんですが、自分自身から逸れてない感触はあるのでしばらくはこの路線でやってみようと思います。

なんでこのサイトも会社の、というよりかは、私個人のポータル的なイメージにちょっとずつ変えていく予定。(今でもそうかw)

そして変わらずブログは、続けていく所存でございます。
さっそく今週どっかで一発目をアップしたいのですが、現時点では今月はこんなことをトピックにしたいなと思っています。

■スタートアップの資金集めとしてのクラウド・ファンディングの現状と今後どうかね? という話
→昨年末、アメリカでクラウド・ファンディングで株式を扱うことを条件つきで可能にする法案が下院通過した(まだ成立はしていないです)とツイートしたら結構反響がありましたが、ヨーロッパでは既に実施されている国もあったりします。
そしていいことだけじゃなくて問題点も。最近は、やっぱり購入型の方が面白いし、これからの時代にあっている気もしています。そのあたりのこと

■クラウド・ファンディングのほんとうの特徴、可能性とは何か?
→上記の続きとして。昨年は主に「クラウド・ファンディングは単に寄付の WEB 版ではないのでは?」ということをくどくどとブログで書いてきたつもり。
少し方向性を変えて、「クラウド・ファンディングは単に VC やエンジェル投資家による支援の少額版ではないのでは」というところまで含め、(以前書いた)ゲーム化とはまったく違う視点から考えてみたいなと。
これが一番チャレンジングなネタ。

■従来のこのブログ的なネタも書くよ。
昨今「メディア化する企業」というような話題がずっと出ておりますが、翻ってミュージアムの世界ではどうなっているのか。
昨年末、まさに「メディア化」しミュージアムのあり方を一歩進めて話題になったある美術館のことを取り上げようと思います。(ほんとは昨月まとめてアップする予定でしたが、途中で放置してしまいましたw)

まっ、気まぐれなので、全然別のことを書くかもしれませんが^^;

なんかね…
先程、『”昔からなんでだか惹かれてしまう、気になってしまう「なにか(言葉にできない感覚)」”の一部を具体化したような現象としてのクラウド・ファンディング』というようなまどろこしい書き方をしましたが、
自分の中では、たとえば「クラウド・ファンディング」が気になるというよりかは、とっても大きい、大きい目に見えない変化のうち、私が比較的キャッチしやすい「現実の一現象」がたまたま、その近辺のことが多い、というような感覚をもっています。

たぶん、変化の全貌は誰にも見ることができないんだろうけど、誰もがほんのごく一部「現実の一現象」としてキャッチしていてそれが個々人の関心となっている。

なので、今年は「クラウド・ファンディング」とか「アートとIT」とかそういう区分気にせず、自分がぴぴっとくる「現象」は捨てずにひとつひとつ確認し、無理につなげたりマッピングすることなく集めていく、で見えてきたことが次のテーマ! そんなふうに歩を進めていければと思います。
アートとかっていうのもいったん捨てるよね! そのくらい気分です。(あ、でもアート業界にも WEB をツールしたいろいろと面白い動きはむくむくとありますね。そのあたりはまたいずれ)

そうだ、あとは自分の中で「やるやる詐欺」だった Facebook のファンページも次のエントリぐらいから立ち上げて、ご意見・ご感想はもちろん、今まではツイッターで書いてきた気になるニュース的なものもそっちに集約させたいなーと思っておりますので、ご関心有る方はよろしゅうです(^-^)

さて、今日は夜遅め(か明日の朝か)に、2011 年の本ブログアクセス TOP 20 のエントリもアップします!

※書きました→クラウド・ファンディングからアート×IT ネタ、アート・マネジメントの初歩まで:2011 年の人気エントリ 20 選

今年はやめようかとも思ったけど、おそらくここ 2 ヶ月ぐらいでぐっと読んでくださる方が増えたので、一応「過去にこんなエントリ書いてますよー」紹介として。しかしまずはおなかがすいたので晩ご飯。

それでは今年もどうぞよろしくお願いいたします!

新年のご挨拶&2012 年は。http://artsmarketing.jp/wp-content/uploads/2012/01/0111eyecatch1-150x150.jpg*arts marketing.jp
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【後編】『ハーブ&ドロシー』の佐々木監督に Kickstarter での資金調達の話を聞きました
―クラウド・ファンディングで資金調達するということ―

前回の続き。

【前編】『ハーブ&ドロシー』の佐々木監督に Kickstarter での資金調達の話を聞きました~プロジェクトはどう進んでいったか

前回は、ドキュメンタリー『ハーブ&ドロシー』の続編 “HERB AND DOROTHY 50X50(以下、50X50)” の制作資金を、実際にどのように Kickstarter で集めいていったかを時系列で見ていった。
最終的には目標対 158%、約 8.8 万ドルの調達と十分な成功をおさめたこのプロジェクトだが、経過をみてみると、労多く実り少なく……の時期も多く、ギリギリのところで最後勢いがついて集まった、と言える。

佐々木さん自身も「なにせ初回だったので何が起こるかわからず、起こったことに対してその都度対応していった」と語られているとおり、クールに言えば、戦略ばっちりな “お手本にする成功事例” というわけではけしてない。(本当にそういう”成功事例”が存在するのかわからないけど)

でも、この資金調達キャンペーンに臨んだ佐々木さんの姿勢には大いに学ぶところがある。

実際、私がお話を聞かせていただいてとても感銘を受けたのは、Kickstarter 使ってどうだったか云々という話よりかは、彼女の「心構え」のようなものだった。
そしてそれは「クラウド・ファンディングで資金調達をするとはどういうことなのか」という根っこにつながっていく。。

後編では、佐々木さんの話で特に強く印象に残った 2 つのことを取り上げようと思う。
それはきっと、これからクラウド・ファンディングを使って資金調達をしたいという人への、大きなヒントとメッセージになるはず。(うまく伝えられればよいのだけど)

では、後半どうぞー

資金調達は筋トレ!! とにかく、本気で、全力で取り組むこと。

まず、佐々木さんのお話でなにより伝わってきたのは、この資金調達期間中、とにかく彼女とメンバーが目標に到達するために、文字通り全力で挑んだということだ。

本気で取り組むことがなにより大事
WEB にプロジェクトを掲載しとけばなんとかなるかも、じゃダメで、絶対に Kickstarter で資金を調達するんだという気持ちがないと、お金は集まらない

何事もそうだけれども、Kickstarter に関しても「あわよくば」はない、と彼女は断言している。

前編にも書いたとおり、佐々木さんは Kickstarter のキャンペーンを始めるにあたり 3 名からなる専任スタッフ・チームを結成し、彼らとともに 60 日間 Kickstarter での資金調達活動を行った。

実際に何をやっていたのか。

まず、佐々木さん本人は Facebook や twitter で影響力のある人たちや、大口の支援をお願いできそうな人たちに、毎日連絡をとり説明を続けた。
Kickstarter の仕組みを知らない人だっている。寄付の方がいいって人も。もちろん、返事すらない人もいるし、逆に連絡先をオープンにしているので変な連絡もやってくる。それらにすべて対応しながら、コンタクト・リストを毎日消していったそうだ。

恥ずかしいとか嫌われるかもとか、そういうことを考えていたら調達できない。資金調達って筋トレみたいなものなんです」とおっしゃっていたが(個人的にはこれ名言かと)、「今日はここからここまでやる」と決めてやっていけば、たとえ少々気が引けるお願いのメールや電話であったとしても、昨日より今日、今日より明日は「慣れる」。

その際に大事だったというのが、「こんなことをやってます、寄付してください」ではなく、「私達のプロジェクトに参加してください」「私達の船に一緒に乗ってください」というスタンスで話すこと。
それに賛同してくれる人、関心をもってくれそうな人にとにかくアプローチを続けた。(なので逆に「友人、知人にはさらっとお願いのメールを流す程度だった」とのこと)

そして、スタッフは Facebook、twitter、blog、ニュースレターなどの制作と更新。
「”支援してくれしてくれ”といやらしくならない書き方、頻度で、でもきちんと支援が必要な旨は書かないと伝わらないから、そのバランスにとても気を使った」そうだ。

実際、期間中の更新内容をみると、たしかに、特に 10 月入ってからはほぼ毎日なんらか更新しているが、キャンペーンに協力してくれているアーティストの話やハーブとドロシーの言葉の紹介、Kickstarter というシステムの素晴らしさについて……など、「お願いします!」だけでない、でもキャンペーンにもつながっている更新内容になっている。

その他、

  • 「ポストイットを何度も並び替えながら」相当に議論をしたという見返りの設定、
  • 期間中に「売り切れ」てしまった見返りに関しては新しいものを投入するなどの対応、
  • ペースが落ちた時に適宜入れていったてこ入れの施策(ポストカードとか)、
  • そして、キャンペーン終了後にあともう一口、支援を集めるためのパーティ開催(UST 配信あり)決定、その準備……

などなどなどなど、とにかく 60 日間は Kickstarter を通じて支援が集まるよう頭も体もフル稼働させた。

……これらの話を聞いた時、かつて佐々木さんが Jeniffer Fox さんの講演会をきいて「(Kickstarter での資金調達は)こんなに一生懸命やるものなんだ」と「目からウロコ」だったように、私も「そこまでやったんですね」と「目からウロコ」だった。
そこには「まだ準備が整っていない」とか「時間がない」とか「スタッフがいない」というような言い訳はいっさいなし。
すごい。
甘く考えていた自分を恥じた。

そして、最終的には、こういう人のところにきちんと支援はいくのだろうなとも。
それはネット経由であろうとなかろうと、きっと関係ないのだ。

「裏切ったら作家生命に関わる」――1 ドルのお金、1 人の支援者の重み

あともうひとつ強く印象に残ったこと。
それは、佐々木さんの「1 ドル払ってくれた人たち」への感謝と責任への認識の深さである。

私が実際にこのプロジェクトにささやかながら支援をした時、とっても驚いて&嬉しかったのは、支援後に佐々木さんから直接メッセージにが届いたことだった。

しかも、「日本からだったらアメリカの amazon の登録など、面倒な手続きを経て大変だったのではないでしょうか。本当にありがとうございます」といったような気遣いがあるメッセージ。定型文のような「スタッフ一同」的な御礼メールだったら驚かなかったと思うが、これは思いもかけず、「わー、支援してよかったなー!」と思ったのをよく覚えている(しかも、それにレスをしたらこれまたきちんと返ってきた)。
佐々木さんとチーム・メンバーは、支援してくれた 730 名全員にこの対応をしたそうだ。(※1)

それ以外でも、日々の UPDATE や blog の文章、ツイッターでこのプロジェクトをつぶやいた時の思いがけないレスポンス、そして目標を達成した時の「世界最高のサポーターの皆様へ」というメッセージ……など、どれも声高に言うほど特別なことではないが、でも(感覚的な言葉で恐縮だけど)誠意とか暖かさが伝わってくる対応だなと思っていたし、(※2)
実際、最後成功に終わった時はとっても嬉しく、なんとなく自分も一緒に旅をした仲間にほんの少しなれた気がした。今現在も「ほんとにやってよかった、また次機会があったら何か支援しよう」と思っている。
そして正直な話、私はこれ以外もいくつかのプロジェクトを支援しているが、こんなふうに感じたのは、お世辞でなくこのプロジェクトだけなのである。(もちろん、どれも成功すれば嬉しく思ったけど)

前作の『ハーブ&ドロシー』が気に入っていたとはいえ、どうしてなのかな?

その小さな疑問への答えは、
取材中に非常に印象的だった佐々木さんのこの言葉に現れているような気がしている。

プロジェクトを達成してみて、今改めて 1 ドルのお金、1 人の支援者のありがたさと同時に重みをずしっと感じています。クラウド・ファンディングのシステムは素晴らしいけれど、そこで集まった彼らの信頼を裏切ったら、作家生命に関わるほどのダメージだと思っている

リターンを金銭で返すタイプより(見返りを購入する)クラウド・ファンディングはあとくされがなくていい、と言われたこともあるけど、本当は信頼関係が土台になっているこちらの方がずっと”あとくされ”があるし、責任を感じるんです。絶対にちゃんと作らなくちゃと思う

“ああ、たとえ 1 ドルであっても見も知らない人が(知っている人でも) お金を払う時の気持ちと責任の重さをわかっているのだ。だから、これほどきちんと支援者とコミュニケーションするのだ”
佐々木さんの口からこれらの言葉を聞いた時、そう、私は思った。

前回も引用した今回の大口支援者である本田社長のメッセージを読み返せば、そのことがよくわかるはずだ。

……他人をあてにして、なにかをやろうとする人はたくさんいますが、自分である意味犠牲になっても何事かをやりたいという態度は素晴らしいし、全面的に応援したいと思いました。
ですから、すぐ決めました。

今回の続編もそうです。
ぎりぎりの期限まで、本田にメールはきませんでした。
kickstarterの仕組みで、みなさん精一杯努力されています。
そんな方々のあと、ほんの0.1%の手助けができるとしたら、本当に本田は幸運だと思います。

「ファン・コミュニティを作る」とは何なのか

クラウド・ファンディングのよさっていうと、よく言われるのが「資金を集めるだけでなく、制作段階から支援者コミュニティが作れること」だったりする。(私も書いたことがある)
実際、今までみてきたように Kickstarter のキャンペーンはそれほど簡単なものではないけれども、それでも「このシステムの本当にすばらしいところは、まだ作品が出来ていない段階から応援してくれるコミュニティができること」と佐々木さんも語っている。

でも、クラウド・ファンディングのシステムを使って、10 人なり 100 人なり支援してくれる人がネット上に集まったところでそれがすぐにコミュニティになるか?
→もちろん、ノー。

佐々木さんの姿勢から学べる最大のことは、なかば常套句として使われる「コミュニティを作る」ために大事なこととは何か、ということではないかと思う。

魔法のシステムなんてない。
自動的にできるコミュニティなんてない。
ネットにアップすれば、どんどんネットワークが広がっていくような、そんなことなんて絶対にありえない。
特に、仮に「いいね!」は集まったとしても、お金を出してくれるかどおうか、なにか行動に移してくれるかどうかはそことはまったく違う次元の話だ。

最終的には、人と人の間に何かまっすぐな、感情が行き来するか、なのだ。
佐々木さんはハーブとドロシーの姿をやはり伝えなくてはと、そのために全力を尽くして資金を集めようとした。
そして、1 ドルであれ人がお金を出してもらうということがどれだけ大変なことか、そのありがたみと表裏一体にある怖さをよく理解し、それがコミュニケーションの姿勢にあらわれた。

そこまでして初めてお金は集まるし、ファンコミュニティになっていく。

※ ※ ※

昔のエントリで私は、クラウド・ファンディングはそこに組み込まれたゲーム性他のメカニズムにより、「見ず知らずの人」や「支援に関心のない人」をも”活動家にすることなく”支援者の一人にできるという可能性を指摘した。

「関心が高くない人たち」を引き込み、「ファン・コミュニティ」にする。

それは、クラウド・ファンディング・サービスの大きな可能性であると今も思っているけれど、でもその可能性も、ここまで本気で取り組み、かつお金を出してくれたという意味を理解して初めて本当に可能性になる。

「WEB でファン・コミュニティ作りましょう」じゃなくて、既にそこに醸成されつつあるものがあり、そのうえで WEB はそのいろんなしくみによって「わかりやすくまとめる最後の一押し」をしているだけ。

何もないところには何もうまれない。
生むためには、
「そうやって皆から資金を集めても世の中に出したいものか」という問いかけも(答えは何にせよ)必要だろうし、
それに答えに対する覚悟も、
泥臭い行動も必要なのだ。

佐々木さんのお話の中で、一番強く心に刻んだのはこのことである。

※ ※ ※
そして、最後に。
このエントリを書き上げて更新のセットをした後に、佐々木さんからこんなメールをいただいた。

(特典発送の準備をしていて)改めて思ったのが、クラウドファンディングは、お金集めより、本当に気合いを入れなくてはならないのは、資金調達後、つまりフォローの部分だということです。
ここをしっかりやらないと、このシステムは長続きしない、と。
それに映画を今後つくり続ける人間として、コアになるファンに必ず満足してもらい、将来の映画もサポートし続けていただけるようにするには、すぐれた作品を完成させるだけではなく、かなりのケア&覚悟が必要です。その辺、今になってじわじわボディブローのように感じて来てます。

「クラウド・ファンディングでファンを獲得する、コミュニティを作る」
それはたしかに可能だし、素晴らしい部分なのだけど、それは相当の努力が必要なのだとこのエントリで書いた(つもり)
しかしさらに、その後には「ファンで在り続けてもらうこと」という大きな挑戦が待っている、という重要な指摘だと感じ、取り急ぎ追記した。

実はここのところ、クラウド・ファンディングで集めた「世界中にバラバラにいるファン未満の人たちいっぱい」をその後もどう「ファン」にしていくか(たぶん、性格上まずは WEB 上でのコミュニケーションになる)、そしてその中の何割かが実際なんらかの形でその後も資金を出す/支援する(このあたりは、以前エントリした伊藤美歩さんのようなプロのファンドレイザーへのバトンタッチ)ようなサイクルを作るには、どうしたらいいかな、というのを考えていた。逆にそこまで出来た時本当に、クラウド・ファンディングも芸術団体やアーティスト(だけでなく NPO、ベンチャーなどなど)にとって有益なものになるのかなーと。

しかし、まーさーに、佐々木さんたち 50X50 プロジェクト・チームはそのサイクルの実践をしつつあるんだなーーー。
今まではクラウド・ファンディング上でプロジェクトが成立するところだけをみていたけど、その後そこで蒔かれた種はどうなっていくのか? これも何かのご縁なのだと勝手に決めて! 引き続きこのプロジェクトのことは追わせてもらいたいなと思う。
ていうか、それ以前に既に 1 ファンとして巻き込まれているのだけどけれど(笑)

※ ※ ※

……長くなったけれど、以上が私の佐々木芽生さんの取材記録です。

日本ではこれからクラウド・ファンディングを使う人や団体が増えてくると思うので、何かヒントがあればいいなと思って書き始めたけど、結局は自分への備忘録のようになってもうた(汗)

しかし本当に、佐々木さんはパワフルですてきなお姉さんでした。

本当にありがとうございました!!!!!

某サービスの運営の方が「佐々木さんぐらい、めいいいいいいいっぱいクラウド・ファンディング・サイトを使ってくれたら嬉しい」と言っていただけれど、そういった事例が日本でもどんどん出てきたらいいなと思う。
願わくばけして今、有名なわけではないけど、じっくりとよいものを作っている人たちのプロジェクトとして。

ちなみに、日本の主なクラウド・ファンディング・サービスはこちら。

Campfire
motion gallery
READYFOR?

私のクラウド・ファンディング研究もネクスト・フェイズだなーという感じで、これからまた、いろいろアプローチの仕方を練りつつ、このブログに残していければなと思っています。
何度もいってるけど、他のネタも書く!!!ぞ!!!!

なお、今も 50X50 プロジェクトは引き続き制作のための資金の支援をお願いしています。(支援ページはこちら
ご関心がおありの方は、info(アットマーク)finelinemedia.net に問い合わせるかこちらのページまで。

(※1)
余談ですが、実はこの取材に至ったきっかけも、私がツイッターやブログでやいやい応援しているのをみてくださった佐々木さんが「次回来日するときにご挨拶できれば」とメッセージしてくださったことがきっかけだったりします。
監督自らがそこまで目を配ってメッセージしてくださるってほんとすごいと思うのです。

(※2)
たとええば、まだキャンペーン初期の段階に、佐々木さん自身がブログにこんなエントリをアップしている。

A Little Fish Bone Stuck in My Throat

ハーブとドロシーが、けしてお金のために購入したアートを売らなかったことに対して、今関わる人すべてに制作費支援をお願いしているのはどうなんだろう? という葛藤がある、という話。
でも、自分はハーブとドロシーの話を伝える役目があると思っているし、映画を作るのは実際資金が必要で、それを集めることなしには出来上がらないのだ、、というような「本音」が書かれている。
“「いいこと」や宣伝だけ書いてある公式ブログ”というのではなく、資金調達の実際というか、嘘がない感じが身近に感じられていいなと思ったエントリのひとつ。

【後編】『ハーブ&ドロシー』の佐々木監督に Kickstarter での資金調達の話を聞きました
―クラウド・ファンディングで資金調達するということ―
http://artsmarketing.jp/wp-content/uploads/2011/12/1202eyecatch-150x150.jpg*arts marketing.jp
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【前編】『ハーブ&ドロシー』の佐々木監督に Kickstarter での資金調達の話を聞きました
―プロジェクトはどう進んでいったか―

おひさしぶりのエントリです。
前回10月末に勉強会の資料をアップしたエントリはいろんな方に紹介していただいたおかげでとっても多くの方にみていただいて(弊社比)、そのおかげもあって 11 月はいろいろな出会いもあり、、、大きいイベント開催や企画提出も重なってブログどころかツイッター他も開かないような日々でした。
が、ちょっと12月はまたまめに書いてみようかと思っています。

—————–
さてさて! なにはともあれ書きたいネタが今回はあります!!
今年の 9 月に、こんなエントリを書きました。

『ハーブ&ドロシー』続編制作資金を WEB で集める――私の Kickstarter 初体験

日本でも 2010 年に公開され話題になったアート・コレクター夫婦のドキュメンタリー『ハーブ&ドロシー』。その続編の制作資金調達が Kickstarter のプロジェクトとして開始したということで、私も支援してみました、というエントリだったのですが……

その後、このプロジェクトは期限である 11/5 までに約 87,331 ドル(5.5 万ドルの目標対 158%)を集めて見事成功のうちに終了しています。中盤3万ドル台でまったく調達額が動かなくなったものの最後の数日で劇的な追い込みがあり、結局は目標を大きく超えてと、支援側としてもはらはら、わくわくした経験でした。

それだけでも、ひとつエントリにしてもいいぐらいなんですが、
なんとその後ご縁ありまして、
監督である佐々木芽生さんが来日された際に Kickstarter での資金調達に関して取材できる機会を!! いただけたんです!!!\(^o^)/

実際、Kickstarter でこれだけの資金調達をした方ご本人からお話を聞くのは初めてだったので、とっても面白かったし、挑戦した人だからわかる話も多く……、なにより、佐々木さんの情熱にとても打たれました。

彼女から得た強いメッセージはひとつで「やるなら本気でやること!」ということ。
その強い意志がないと、結局ツールや方法はなんであれ、実現はできないということ。

日本でも、クラウド・ファンディングって関心ある、でもどうなんだろう? と考えている個人、団体、組織、多いと思いますが、そういった方々にとって、とてもヒントがあるお話でしたので、2 回に分けてお聞きしたこと、そして私が感じたことなどをまとめておきます。

  • 前編(このエントリ)は実際プロジェクトがどう進んでいったのかについて。
  • 後編は佐々木さんのお話で特に心に残った話について。(「Kickstarter で調達するとはどういうことなのか」の心構えとなる話なので、是非ぜひこちらを読んで欲しい!)

です。案の定長いですが、のんびりと、どぞー

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

Kickstarter でプロジェクトを開始するまで

『ハーブ&ドロシー』続編である『HERB & DOROTHY 50X50(以下、50X50)』の制作が開始されたのは、2008 年末のこと。

その年は第一作である『ハーブ&ドロシー』が完成した年で、佐々木さんの中で「ハーブ&ドロシーという夫妻の素晴らしさを映像を通じて伝える」という役目は終わったと思っていたという。
奇しくも同じ年に、ハーブ&ドロシー夫妻の膨大なアート・コレクションを全米 50 州の美術館に 50 作品ずつ寄贈して展覧会を行うという「Vogal 50X50」プロジェクトが開始されることが発表されたが、それでも、体力的、資金的に続編を自身で撮るとは考えていなかったそうだ。

しかし、その年の 12 月。
「Vogal 50X50」プロジェクトの最初の美術館であるインディアナポリス美術館での展覧会に、”念のため”カメラをもって夫妻に動向したところ、実際のコレクションを「展覧会」という形で目の当たりにし大変感銘を受けたという。

When I saw the show, I was moved. All the works were small in scale, and impeccably beautiful. Humble but powerful, at the same time. What a great eye Herb & Dorothy have for art, what a truly amazing collection they have built, I thought.

―50X50 公式ブログ、佐々木さんご自身によるエントリ”Message From The Director” より

そしてその瞬間、佐々木さんはこの 50X50 プロジェクトを追い、「HERB & DOROTHY 50X50」というタイトルで映像化する決意を固めた。

制作するとなったら、50X50 のプロジェクトが日々動いている以上、撮影はどんどん進めなくてはいけない。制作が先行した上での資金調達活動がスタートする。

ちなみに、前作の制作費は約 5000 万円だったそうで、1/3 が助成金、1/3 をアメリカの公共放送サービス(PBS)との共同制作ということで賄い、残り 1/3 は自費という内訳。

今回もまずはひたすら助成金の申請に励む佐々木さんだが、2009 年はちょうど、クラウド・ファンディングという手法が映像業界内で話題になった時期でもあった。

まず、気候変動を扱ったドキュメンタリー『The age of stupid』が、金銭リターン型のクラウド・ファンディングで 5 年で 90 万ポンドの資金調達に成功したこと(※1)
そして、見返り購入型の Kickstarter が 4 月にロウンチし、徐々に注目が集めていたこと

そういった背景もあり、佐々木さん自身も当初から「今後はクラウド・ファンディングのような形で資金を集めることになるのかなあ」と気にはなっていたという。

とはいえ、日々の撮影、制作業務で忙しかったのと、50X50 の制作規模などを考えるとすぐにチャレンジするつもりはなかった。

が、一方で 2010 年以降 Kickstarter を利用した高額資金調達事例が続々と登場し、映像部門でも 34.5 万ドルを集めた『SAVE Blue Like Jazz! (the movie)』のようなケース(これは現時点でも映像部門での資金調達額トップ)が出てきて、クラウド・ファンディングへの注目はますます高まっていった。
さらに、Kickstarter のメンバーと知り合う機会があり、彼らが『ハーブ&ドロシー』のことを知っていたという出会いもあり、2011 年、Kickstarter で資金調達キャンペーンをすることを決める。

※ ※ ※

決めてはみたものの、それほど自信もなく「期間は 30 日間がオススメ(※2)」という Kickstarter 側の提案にも NO といい、45 日間でも心配で結局 60 日間のプロジェクトとした佐々木さん。
8 月頃開始しようと準備を進めていたが、その頃「目からウロコ」の話を聞く。

それは、やはり Kickstarter で映像制作の資金調達を成功させた Jeniffer Fox 氏の講演会に行った時のこと。
彼女は “MY REINCARNATION” というドキュメンタリーの制作資金を Kickstarter で募り、目標 5 万ドルのところ 15 万ドル以上調達しているのだが、何が「目からウロコ」な話だったかというと、Kickstarter でのキャンペーンを実施するにあたり 3 名の専用スタッフをつけて、つきっきりで取り組んだというのだ。

「こんなに一生懸命やるものなんだ。これは本腰いれて、きちんと戦略をたててやらなくちゃ!」

とショックを受けた佐々木さんは、急遽制作チームとは別途にインターン、有給スタッフあわせて 3 名の「Kickstarter チーム」を結成。

こうした体制の準備や 8 月の株式市場の落ち込み、NY のハリケーン直撃などがあり少し予定を遅らせたものの、9/7(水)よりいよいよ専任スタッフに佐々木さんを合わせた 4 名で Kickstarter での資金調達にのぞむこととなる。

目標額は 5.5 万ドル、期限は 60 日後の 11/5(土)まで。

順風満帆で始まったわけではない資金調達

初日こそすぐに 16 人から 3,000 ドルが集まったものの、資金調達はけして最初から順風満帆というわけではなかった。
ここに 60 日間のキャンペーン中の調達額推移と支援者数推移のグラフがある。

【グラフ 1】調達額推移公式ブログより)

【グラフ 2】支援者数推移Kickstarter プロジェクト・ページより独自調べ)

このふたつをみただけでも、最初じりじりとあがったものの、中盤かなりペースが落ち、最後にどん!とあがったのがわかるが、もう少しわかりやすくするために、週ごとの資金調達額と支援者数をグラフにしたものがこちら。

【グラフ 3】週ごとの調達総額/支援者数推移(Kickstarter プロジェクト・ページ他より独自調べ)


※折れ線グラフ:資金調達総額/週
※棒グラフ:支援者総数/週 赤:KS での支援経験あり 緑:KS での支援経験なし

以降、8 週と 4 日あるキャンペーンを、最初の 3 週間、真ん中の 3 週間、最後の 3 週間(2 週間と 4 日)に分けてみていく。

まず、最初の 3 週間。

1 週間で 1 万ドルを集めているが、佐々木さん曰く「資金調達開始しました!」ということをガンガンに告知できる 1 週目はすごく大事で、もっと集めなくてはいけなかった時期とのこと。

「Kickstarter でキャンペーン始めたよ」といって、すぐに行動を起こしてくれるような知り合い、ファンにアピールして、調達総額にはずみをつける(=盛り上がっており、支援するだけの価値があるプロジェクトとみせる)するためのにも 1 週目は重要なのだが、今回 50×50 プロジェクトの出足がちょっと鈍った一因としては、キャンペーン開始直前の 9/5 がアメリカは祝日(レイバー・デー)ということが響いているそうな。メールをしてもあけてもらえない、休日後の大量のメールの中に埋もれしまう等等。
「祝日や休日の影響がない日を開始日にする」のは、今回学んだ「Kickstarter 成功のための tips」のひとつだそうだ。

最初の告知が浸透しきった 2 週目は案の定ペースが落ちるが、3 週目にまた盛り上がるがくる。支援者がぐっと増えるのだ。

グラフ 2 を見れば、9/22 だけ支援者数がひょこっとあがっている。
初日ですら 16 名、その後はほとんど一日一桁の支援者数だったのに、この日一気に 63 名が支援しているのだ。翌日、翌々日も通常より多く、結局 3 日あわせて 99 名が新しく支援している。

この理由は、22 日に配信された Kickstarter 支援経験者へのメールマガジン。その中で 50×50 のプロジェクトが紹介されたのだ。(佐々木さんたちにも「紹介しますよ」というお知らせがくるわけではないので、突然の支援者増に何かバグが起こったのかと心配したそうな 笑)
このメルマガは約 50 万通(当時)配信されていて、中には「Kickstarter に面白そうなプロジェクトがあがったら少額支援しようとしている人たち」が一定数存在しているのだとか。

現にこの3日間の支援者 99 名中 81 名は Kickstarter 支援経験者。もちろん、佐々木さん他ハーブ&ドロシーチームの知り合いでない人たちばかり。

こここそ、クラウド・ファンディング活用の特徴と言えるが、注釈をつけておくと、3 週目の資金調達額自体は結局 125 名で約 8,000 ドルで、1 週目 59 名が支援した 1 万ドルに届いていない。
やはり Kickstarter のメルマガ経由できたような「プロ支援者(笑)」は、20 ドルぐらいまでの支援なので、いわゆる「資金調達効率」は悪い。それをどう捉えるか。このあたりはクラウド・ファンディング自体の可能性や意義に関わるところなので、後半に再度触れてみようと思う。

そんなこんなで、結局、3 週間終わった 9/27 までに集めた支援は 211 名から約 1.8 万ドル(目標対 32.7%)。

Kickstarter の公式調べによると「目標額の 30% 集めたプロジェクトの 90% は資金調達に成功する」というデータがあるそうで、そういった意味では最初のハードルは越えたように思えるし、ちょうど支援額のギリギリ約 1/3 というところで、この調子でいけば、まあ到達するかも…?

とはいえ、実際に資金調達の真っ只中にいる佐々木さん他チームの方々にとっては、まったく安心できる状況でもなく、現にこの後、がくっとペースが落ちる悪夢のような中盤戦に突入していく。

やってもやっても集まらない。魔の中盤戦

資金調達キャンペーン第 4 週目~第 6 週目。
この時期、毎週支援者は 50 名前後、週間調達額も 4,000 ドル→ 3,000 ドル→ 2,400 ドルと落ち込んでいく。
2 万ドルに到達したのが 25 日目(10/1)なのに比べ、 そこからプラス 1 万ドル調達するのにほぼ同期間である 24 日かかっているのをみても、ペースが 1/2 になっているのがわかる。

この期間、佐々木さんたちは本当に気が休まらず、常に新着メール(新規支援者が増えるたびメールでくる)がわかるよう携帯電話を抱えて寝ていたという。イタリア出張なども重なっていたが、まったく楽しむ余裕がなく、とにかく PC とにらめっこだったそうだ。

テコ入れのためにブログや Facebook もまめに更新し、新しい見返りを用意したり(10/4)、カフェなどで配布する用のポストカードを作ったり(10/14)などの施策をとるものの爆発的には増えない日々。
Kickstarter のスタッフにも言われたし、Kickstarter で資金調達した人のブログ等をみても必ず「長く調達期間をとっても全然動かない時期があるので、あまり意味はない」というようなことが書かれているのだが、どうやらそれは本当らしい。(※3)

結局、目標額の半分(27,500 ドル)を超えたのは、全体の 2/3 強の期間である 6 週目が終わり、あと期限まで 19 日という 10/18 だった。緊張感が高まる中、プロジェクトは終盤に突入する。

引き続き、情報の UPDATE や新しい見返りの投入、支援のお願いを続ける中、この頃から、既に支援してくれた人たちから自発的な応援アクションが起こったりもしたそうだ。

たとえば、10/22 に Kickstarter のプロジェクト・ページのコメント欄に書かれたこんな提案

支援者の皆さん――アイディアがあります。
あと 15 日で期限がくるし、みんなでこの素晴らしい映画を現実にするために協力しましょ。
もし私達が、今の支援額を 2 倍にしたら――10 ドルを 20 ドルに、50 ドルを 100 ドルに。
そしたら、Megumi は目標額に到達するじゃない?
やりましょう! 一人一人の小さい一歩が大きな結果につながるわ
※私の意訳です

おーー、なんと心温まる書き込み!
佐々木さんたちは、公式には「そうだ!やろうやろう!」とは言えないものの(笑)、驚き、とても嬉しく思い、ブログに感謝の言葉をアップしている。

それが効いたのかどうか、、はわからないけれど、10/24 頃からペースがあがり始め、翌 25 日に 3 万ドルを突破する。

日本へのメール。そして、一人の大きな支援者の登場

そして 4 万ドルがみえてきた 10/28。

ここで初めて佐々木さんは、日本で名刺交換した人々 500 名ほどにメールで支援のお願いをする。
Kickstarter はアメリカの Amazon ペイメントのアカウントが必要なため、基本的にアメリカ人を対象と考えてきたが、日本からのアクセス用にプロジェクト・ページにも日本語の翻訳をのせ、どのように日本から支援したらよいのかをメールでも説明したとのこと。

その甲斐あり、この週末に日本からの支援がぐっと増加。
加えて期限まであと 1 週間あまりという「締切効果」があらわれ、調達ペースに弾みがつき始める。
(ちなみに、このエントリによると締切 5 日前までは 20% のプロジェクトしか成功していないが、直前になると 50% 近くが成功しているというから、第一週とともに最終週というのはとても重要のようだ。逆に言えば、そこまでに目標達成していなくても、まだまだ可能性はあるということ!)

そして 10/31。
Kickstarter で設定できる見返りの最高額である 1 万ドルを購入する支援者が登場する。

それはソフトウエア開発会社ハイパーギアの社長、本田克己氏。

本田さんは前作でも支援をしており、今回も佐々木さんのメールで支援を決意してくれたとのこと。
彼が支援後に佐々木さんに送ったというメッセージは、感動的だ。公式ブログに公開されているが、ここでも紹介したい。

99.9%は佐々木監督をはじめとする、スタッフとサポーターの方々の努力と熱意と多分、汗と涙でしょう。
でもそこまでして物をつくる、世の中に出していくという喜びに、あと、0.1%お手伝いできるだけで、実現を一緒に喜べるというのは、これくらい嬉しいことはありません。

一番最初に昨年、お話を聞いたときに、もし、これから映画をつくるのだけど、資金だしてくれますかと言われたら考えていたかもしれません。
でも、アパートを抵当に入れても今、撮りたいとお聞きして、この方は本気だなと思いました。

他人をあてにして、なにかをやろうとする人はたくさんいますが、自分である意味犠牲になっても何事かをやりたいという態度は素晴らしいし、全面的に応援したいと思いました。
ですから、すぐ決めました。

今回の続編もそうです。
ぎりぎりの期限まで、本田にメールはきませんでした。
kickstarterの仕組みで、みなさん精一杯努力されています。
そんな方々のあと、ほんの0.1%の手助けができるとしたら、本当に本田は幸運だと思います。

正直、アートはよくわかっていません。
しかし、アートには太古の世界から、理解者やパトロンが必要であり、それは、現代では、大金持ちではなくて、一般の人たちがするべきです。
Herbさんや、Dorothyさんには、その才能があり、素晴らしい足跡を残せることを見せてくれました。
そしてそれを佐々木さんが世界中に広めてくれました。
たいへん尊敬していますし、佐々木さんと佐々木さんをみて後に続く人たちに、一歩一歩成功するという形で佐々木さんを見習って続けて行っていただきたいのです。
そのためには成功してほしいのです。

ぜひ、みなさんで結果をよろこべ、納得のいく映画を作ってください。
機会を与えていただき、ありがとうございます。

本田
(太字は筆者)

こうしてついに 56 日目、期限まであと 6 日というところで 5.5 万ドルの目標に到達する。(パチパチパチパチ)

この勢いは目標達成後もとまることがなかった。

通常(たとえば iPhone 用ガジェット等「欲しい」ものをプレ・オーダーするタイプではなく)こういった「映像作りたいです」といったタイプのプロジェクトは目標を達成したらその後動きがない。
つまり「もう目標到達しているから大丈夫」と思われてしまうことが多いというが、50X50 プロジェクトに関しては到達後もすごく伸びたのが当時みていてもとても印象的だった。
グラフ 3 をみると、最後の2週は Kickstarter の支援経験がない人からの支援がものすごく増えており、やはり日本からの駆け込み支援がとても多かったのだと思われる。(佐々木さんの母校からも支援があったそうだ)

結局、ラスト 5 日で新たに 180名からの支援をうけ、最終的には 730 名から 87,331 ドルの支援を集めてプロジェクトは終了した。(※4)
目標達成率は 158%。
最終調達額だけみれば、現時点で 50X50 プロジェクトは Kickstarter の映像部門で調達額ランキング 20 位の結果を残していることになる。

しかし、そこに至るまでは一筋縄ではいかなったことが、この経緯をみると感じられたかと思う。

けしてうまくいかなかった第 1 週。まったく伸びなかった中盤。
日本への支援のお願いはこのタイミングが良かったのか、それとも? もしも本田さんという大口寄付がなかったら?

戦略としても、「もう少し購入する人が多いはず」と思っていた 35 ドル・レベルの見返り(DVD 他)が伸ばせなかったこと、ローレンス・ウイナーがこのプロジェクトのためにデザインしてくれた限定スケッチブックもすごくレアなのに買い手が思ったほどつかなかった。なにせ、見返りはいろいろ途中で追加したりして複雑になりすぎた。
動画だってもっと力を入れたかったのに、結局そこまで手が回らなかった――
等、等、佐々木さんたちには反省点がいろいろとあるとのこと。

それでも、この資金調達キャンペーンに臨んだ佐々木さんの姿勢には大いに学ぶところがあり、それがあったからこそ最終的には成功したのだと思う。

次のエントリでは、なぜそのように思ったのか、
佐々木さんのお話を伺って、私が一番強く印象に残ったこと、そこから感じた「クラウド・ファンディングで調達するということはどういうことなのか?」を書いていこうと思います。

個人的にはこちらの方がお伝えしたいしたいことだったりするので……長文読ませたうえになんですが、よかったら後編も是非読んでください。

なお、今も 50X50 プロジェクトは引き続き制作のための資金の支援をお願いしています。(支援ページはこちら
ご関心がおありの方は、info(アットマーク)finelinemedia.net に問い合わせるかこちらのページまで。

(※1)
『The age of stupid』については、こちらのエントリで簡単に触れている。
音楽/映像分野でのクラウド・ファンディング変遷[インフォグラフィックス有り]

(※2)
Kickstarter の公式ブログでもはっきり 30 日をレコメンドしている。
Trends in Pricing and Duration(2010/9/21)

(※3)
佐々木さん曰く、とはいえはやはり 30 日は少し短く、追加の施策をうったり方向転換する暇がないが、60 日は長い、45 日でいい、というのが実感とのこと。

(※4)
ちなみに終了日の夜には NY でパーティを開催、そこでも寄付を受け付けたこと、
あとは Kickstarter では寄付控除がないため、わざわざ Kickstarter 外で寄付をした方もいたそうで、彼らをあわせるとこの期間内に 9 万ドル以上を集めた。

【前編】『ハーブ&ドロシー』の佐々木監督に Kickstarter での資金調達の話を聞きました
―プロジェクトはどう進んでいったか―
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